2026年7月12日から26日まで、愛知県名古屋市のIGアリーナで開催された大相撲令和8年七月場所。15日間にわたる熱戦は、千秋楽の優勝決定ともえ戦までもつれ込む劇的な展開となった。幕内最高優勝を手にしたのは、西関脇の安青錦。大関霧島、関脇熱海富士とともに12勝3敗で並び、最後の決定戦を勝ち抜いて自身3度目の賜杯を獲得した。
今場所の大きな話題は、安青錦が大関復帰を決めた場所で優勝まで成し遂げたことだ。11日目に10勝目を挙げて大関復帰を確定させ、千秋楽には本割で敗れた熱海富士を優勝決定戦で破り、さらに霧島にも勝利。十両では湘南乃海が11勝4敗で優勝を飾った。三賞では藤ノ川、熱海富士、琴栄峰、高安、安青錦がそれぞれ受賞している。
【2026年7月場所の結果】幕内優勝は安青錦!12勝3敗で3度目の賜杯

令和8年七月場所の最大のニュースは、安青錦の復活優勝だ。
安青錦は2026年5月の夏場所を休場し、大関から関脇へ陥落。大関復帰には、陥落直後の場所で10勝以上を挙げる必要があった。厳しい条件を背負って迎えた7月場所だったが、序盤から安定した相撲を披露し、11日目には豪ノ山を寄り切って10勝目を記録した。
これにより、9月の秋場所での大関復帰が決定。復帰条件を満たした後も優勝争いの先頭を走り続け、最終的には12勝3敗で場所を終えた。
ただし、千秋楽の本割で熱海富士に敗れたため、優勝は決定戦へ持ち越された。そこから霧島、熱海富士との三つ巴を制したことが、今回の優勝を特別なものにしている。
幕内優勝・上位成績の確定結果- 幕内優勝:安青錦(西関脇)12勝3敗
- 優勝同点:霧島(東大関)12勝3敗
- 優勝同点:熱海富士(東関脇)12勝3敗
- 横綱・大の里:9勝6敗
- 横綱・豊昇龍:7勝7敗1休
- 大関・琴櫻:8勝7敗
- 関脇・琴勝峰:6勝9敗
この結果からも分かるように、今場所は横綱・大関陣の成績が一様ではなかった。霧島が12勝を挙げた一方、大の里は9勝、琴櫻は8勝にとどまり、豊昇龍は終盤に休場した。
上位陣の明暗が分かれる中、安青錦と熱海富士が関脇として優勝争いを最後まで引っ張った点も、7月場所を振り返るうえで欠かせない。スポーツナビの番付・場所結果にも、これらの最終成績と表彰結果が記録されている。
【千秋楽の核心】安青錦・霧島・熱海富士の優勝決定巴戦を解説
2026年7月26日の千秋楽は、幕内優勝争いが最後の取組まで決着しない緊迫した一日となった。
千秋楽を12勝2敗の単独トップで迎えた安青錦は、優勝を決める可能性を持って本割に臨んだ。しかし、対戦相手の熱海富士が立ち合いから前に出る圧力を見せ、安青錦を押し出しで破った。
続く大関霧島は琴櫻を寄り切りで下し、12勝目を獲得。これによって安青錦、霧島、熱海富士の3人が12勝3敗で並び、優勝決定ともえ戦が行われることになった。
三つ巴の決定戦は3番で決着巴戦は、3人が順番に対戦し、連勝した力士が優勝を決める方式だ。今回の決定戦では、最初に熱海富士と霧島が対戦した。
- 第1戦:熱海富士○-●霧島。熱海富士が押し出しで霧島を破る。
- 第2戦:安青錦○-●熱海富士。安青錦が寄り切りで熱海富士に勝ち、本割の雪辱を果たす。
- 第3戦:安青錦○-●霧島。安青錦が再び寄り切りで霧島を下し、優勝を決める。
特に注目されたのは、安青錦が本割で敗れた熱海富士を決定戦で破ったことだ。加えて、最後の一番でも霧島を寄り切り、決定戦で2連勝を達成した。
本割での敗戦を引きずらず、短い間隔で続く2番を勝ち切ったことは、技術だけでなく精神面の強さも示している。
安青錦にとって一日三番の激闘通常の千秋楽なら、力士が土俵に上がるのは本割の一番だ。しかし、今回は本割に加えて決定戦の2番にも出場。安青錦は一日で計3番を戦い、すべてを勝ち切る必要があった。
しかも、安青錦は左足の負傷を抱えていた。5月場所の全休から復帰し、大関復帰条件を満たした後も、万全とはいえない状態で優勝争いを続けていたのである。
日刊スポーツの千秋楽報道では、安青錦が大関復帰を決めた場所で優勝するのは史上初と伝えられた。単なる3度目の優勝ではなく、負傷からの復帰、大関への返り咲き、幕内最高優勝という複数の成果が重なった場所だった。
【幕内・十両の星取表】上位力士の成績と優勝争いの関係
大相撲7月場所の星取表を確認すると、幕内では12勝3敗の3人が優勝争いを決定戦まで持ち込んだ一方、十両でも11勝4敗の力士が複数並び、優勝決定戦が行われたことが分かる。
ここでは、幕内と十両の優勝争いを中心に、主要力士の番付、最終成績、相互の関係を整理する。
幕内・十両の主要力士と結果一覧| 力士 | 2026年7月場所の番付・成績 | 結果・関係 |
|---|---|---|
| 安青錦 | 西関脇・12勝3敗 | 幕内優勝。霧島・熱海富士との巴戦を制覇。技能賞も受賞。 |
| 霧島 | 東大関・12勝3敗 | 幕内優勝決定巴戦に進出。熱海富士、安青錦と対戦。 |
| 熱海富士 | 東関脇・12勝3敗 | 本割で安青錦に勝利。巴戦でも霧島を破り、敢闘賞を受賞。 |
| 湘南乃海 | 東十両6枚目・11勝4敗 | 十両優勝。4人による決定戦を勝ち抜く。 |
| 藤ノ川 | 東前頭筆頭・8勝7敗 | 殊勲賞を初受賞。 |
| 琴栄峰 | 東前頭7枚目・11勝4敗 | 敢闘賞を初受賞。 |
| 高安 | 西前頭7枚目・11勝4敗 | 敢闘賞を7回目の受賞。 |
| 朝翠龍 | 東十両筆頭・11勝4敗 | 十両優勝決定戦に進出。 |
| 嵐富士 | 東十両13枚目・11勝4敗 | 十両優勝決定戦に進出。 |
| 寿之富士 | 西十両4枚目・11勝4敗 | 十両優勝決定戦の決勝まで進出。 |
上位番付の最終成績は次のとおり。
- 横綱・豊昇龍:7勝7敗1休
- 横綱・大の里:9勝6敗
- 大関・霧島:12勝3敗
- 大関・琴櫻:8勝7敗
- 関脇・熱海富士:12勝3敗
- 関脇・琴勝峰:6勝9敗
- 関脇・若隆景:0勝0敗15休
- 関脇・安青錦:12勝3敗
豊昇龍は終盤に休場し、若隆景も全休となった。大の里は9勝6敗で勝ち越したものの、優勝争いには加われなかった。
一方、霧島は12勝を挙げ、優勝決定戦まで進出。熱海富士も12勝を記録し、本割で安青錦を破るなど、優勝にふさわしい存在感を見せた。
十両優勝は湘南乃海!11勝4敗で混戦を突破十両では湘南乃海、朝翠龍、嵐富士、寿之富士の4人が11勝4敗で並び、優勝決定戦に進出した。
決定戦では、湘南乃海が朝翠龍をはたき込みで破り、寿之富士が嵐富士を押し出しで下した。その後の決勝で湘南乃海が寿之富士を寄り切り、十両優勝を決めた。
本割の最終成績だけを見れば4人が同じ11勝4敗だが、優勝決定戦を勝ち抜いた湘南乃海が唯一の優勝者となった。星取表の数字と優勝記録は区別して見る必要がある。
【2026年7月場所の三賞】殊勲賞・敢闘賞・技能賞の受賞力士
三賞は、幕内力士の活躍を評価する殊勲賞、敢闘賞、技能賞の3種類で構成される。2026年7月場所では、優勝した安青錦だけでなく、平幕の藤ノ川や琴栄峰、高安にも注目が集まった。
殊勲賞:藤ノ川が初受賞殊勲賞は藤ノ川が受賞した。番付は東前頭筆頭、成績は8勝7敗。勝ち越しを決め、上位陣との対戦で存在感を示したことが評価された。
藤ノ川にとって今回が初めての殊勲賞となる。上位との対戦が続く前頭筆頭という位置で勝ち越したことは、今後の番付上昇を考えるうえでも意味のある結果だ。
敢闘賞:熱海富士・琴栄峰・高安敢闘賞は3人が受賞した。
- 熱海富士:12勝3敗。自身4回目の敢闘賞。
- 琴栄峰:11勝4敗。初受賞。
- 高安:11勝4敗。自身7回目の受賞。
熱海富士は幕内優勝決定戦にも進出し、本割では安青錦を破った。12勝を挙げながら優勝に届かなかったものの、場所を通じて高い安定感と前に出る圧力を示した。
琴栄峰は11勝4敗で初の三賞を獲得。高安は経験豊富なベテランとして二桁勝利を達成し、23場所ぶりとなる7回目の敢闘賞を手にした。
技能賞:安青錦が4回目の受賞技能賞は安青錦が受賞した。幕内優勝と同時に技能賞も獲得し、自身4回目の受賞となった。
右四つからの寄りを中心とする相撲に加え、相手の動きを見極める判断力、体勢を崩された後の対応力が光った。決定戦で熱海富士と霧島を連続して寄り切った内容も、今場所の技能を象徴する場面だった。
【15日間の流れと決まり手】全取組結果から見えた名古屋場所の転換点
七月場所は7月12日の初日から26日の千秋楽まで、15日間にわたって開催された。優勝争いは序盤から一人に絞られたわけではなく、横綱、大関、関脇、平幕の力士が入り交じる展開だった。
初日から中盤:大の里の黒星と安青錦の好発進初日は横綱・大の里が新小結の義ノ富士に押し出されて敗れる波乱があった。一方、豊昇龍は王鵬を下し、霧島や熱海富士、安青錦も白星を挙げた。
序盤では霧島が綱取りを意識した安定した相撲を見せ、安青錦も白星を積み重ねた。平幕では琴栄峰や獅司などが優勝争いに加わり、上位陣だけでは勝負の行方を予測できない状況が続いた。
11日目:安青錦が10勝目で大関復帰を確定7月22日の11日目、安青錦は豪ノ山を寄り切りで破り、10勝1敗に到達した。
この10勝目によって、9月の秋場所で大関に復帰することが確定した。現行のかど番制度が始まった1969年以降、陥落直後の場所で10勝以上を挙げて大関復帰を決めた例は限られており、安青錦は2019年秋場所の貴景勝以来の復帰例となった。
しかも、安青錦はこの時点で優勝争いの単独トップ。大関復帰だけでなく、幕内優勝も十分に狙える位置にいた。
14日目:優勝へ王手、追う霧島と熱海富士14日目には安青錦が尊富士を寄り倒しで破り、12勝目を獲得。優勝に大きく近づいた。
霧島は豊昇龍の休場による不戦勝で11勝目を挙げ、熱海富士も獅司を押し出して11勝目。安青錦を追う2人が最後まで優勝争いに残った。
千秋楽:本割から巴戦へ、決まり手が分けた勝負千秋楽の本割では、熱海富士が安青錦を押し出し、霧島が琴櫻を寄り切りで下した。大の里は琴勝峰を押し倒しで破って9勝6敗で場所を終えた。
その後の優勝決定戦では、熱海富士が霧島を押し出し、安青錦が熱海富士と霧島をそれぞれ寄り切りで破った。
決まり手に注目すると、今場所の優勝争いは押し相撲と四つ相撲の対照的な攻防が印象的だった。熱海富士は前に出る圧力を生かした押し出し、安青錦は相手を組み止めてからの寄り切りで勝負を決めている。
全取組結果を確認する際は、勝敗だけでなく決まり手も見ると、力士がどのような相撲で白星を重ねたかが分かる。特に安青錦、霧島、熱海富士の15日間の成績と対戦内容を比較すると、同じ12勝3敗でも優勝決定戦での勝ち方が最終的な評価を左右したことが見えてくる。
【番付と歴代優勝記録】安青錦の復活優勝が相撲史に残る理由
2026年7月場所の結果を理解するには、優勝回数だけでなく、安青錦が置かれていた番付上の状況にも目を向けたい。
大関陥落から1場所で復帰した経緯安青錦は2026年1月場所から大関を務めていたが、3月場所で負け越し、5月場所を全休したことで関脇へ陥落した。
大関は2場所連続で負け越すと関脇に陥落する。ただし、陥落直後の場所で10勝以上を挙げれば、翌場所に大関へ復帰できる特例がある。
安青錦は7月場所11日目にこの条件を満たし、9月場所での復帰を決めた。日本相撲協会の公式プロフィールでも、2026年9月場所から再び大関として番付に載っていることが確認できる。
優勝歴代記録で注目すべきポイント安青錦の7月場所優勝は、自身通算3回目の幕内優勝となった。優勝回数だけを見れば3度目だが、今回の歴史的な意味は、大関復帰を決めた場所で同時に幕内最高優勝を達成した点にある。
現行の特例復帰制度が始まって以降、大関陥落直後の場所で10勝以上を挙げて復帰を決めた力士は複数いる。しかし、その場所で優勝まで成し遂げた力士は安青錦が初めてとなった。
つまり、今回の記録は単純な最年少優勝や最多優勝回数の更新ではない。大関復帰という制度上の条件をクリアしながら、幕内最高優勝も手にしたという、異なる2つの成果を同時に達成した記録である。
【プロの結論】7月場所は安青錦の実力と勝負強さを証明した場所今回の名古屋場所で特に評価すべきなのは、安青錦が復帰条件を満たした後も、優勝を目指す姿勢を崩さなかったことだ。
大関復帰を決める10勝目と、幕内優勝を決める最後の一勝は、求められる精神状態も相手への対応も異なる。安青錦は11日目に復帰を確定させた後、終盤の横綱・大の里や豊昇龍との対戦でも勝利を重ね、優勝争いの主導権を維持した。
そして千秋楽では、本割の敗戦を決定戦で取り返した。決定戦で2人を連続して破ったことは、単に調子が良かっただけでは説明できない。相手の攻めに対応し、自分の相撲に持ち込む力が結果につながった。
一方、霧島の12勝3敗も軽視できない。綱取りを目指す大関として優勝決定戦まで進出したことは、次の場所に向けた大きな材料となる。熱海富士も12勝を挙げ、本割では優勝者の安青錦を破っている。
今場所の評価を一人の優勝者だけで終わらせず、優勝同点の2人や三賞受賞者まで含めて見ることが、7月場所の競技的な価値を正しく捉えるポイントだ。
【大相撲7月場所の結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年7月場所の幕内優勝は誰ですか?
A1:安青錦です。12勝3敗で霧島、熱海富士と並び、千秋楽の優勝決定巴戦で2人を連続して破り、自身3度目の幕内優勝を達成しました。
Q2:安青錦はなぜ優勝決定戦に出場したのですか?
A2:千秋楽の本割で熱海富士に押し出しで敗れ、霧島も琴櫻を破ったため、3人が12勝3敗で並んだからです。巴戦では熱海富士が霧島を破った後、安青錦が熱海富士と霧島に連勝しました。
Q3:2026年7月場所の十両優勝は誰ですか?
A3:湘南乃海です。11勝4敗で朝翠龍、嵐富士、寿之富士と並び、4人による優勝決定戦を勝ち抜きました。
Q4:2026年7月場所の三賞受賞力士は誰ですか?
A4:殊勲賞は藤ノ川、敢闘賞は熱海富士・琴栄峰・高安、技能賞は安青錦です。安青錦は幕内優勝と技能賞を同時に獲得しました。
Q5:安青錦は7月場所で大関に復帰したのですか?
A5:7月場所中の11日目に10勝目を挙げ、9月場所での大関復帰を確定させました。7月場所の番付上は関脇で、翌9月場所から大関に復帰しています。
Q6:2026年7月場所はいつ、どこで開催されましたか?
A6:2026年7月12日から26日までの15日間、愛知県名古屋市のIGアリーナで開催されました。
2026年の大相撲七月場所は、安青錦が12勝3敗で3度目の幕内優勝を飾り、歴史に残る場所となった。
千秋楽では霧島、熱海富士との三つ巴の優勝決定戦を制し、1場所での大関復帰と優勝を同時に達成。十両では湘南乃海が11勝4敗で優勝し、三賞では藤ノ川、熱海富士、琴栄峰、高安、安青錦が表彰された。
今回の結果を振り返る際に押さえておきたいのは、次の3点だ。
- 優勝記録:安青錦が12勝3敗で幕内3度目の優勝。大関復帰場所での優勝は史上初。
- 優勝争い:霧島と熱海富士も12勝3敗。千秋楽の巴戦まで決着が持ち越された。
- 次の注目点:9月場所で大関に復帰する安青錦と、綱取りを目指す霧島、成長を示した熱海富士の戦い。
安青錦の優勝は、負傷による休場と大関陥落を乗り越えた復活劇である。同時に、12勝を挙げた霧島と熱海富士、初受賞の琴栄峰や藤ノ川など、新たな勢力の台頭も印象づけた。
2026年7月場所は、優勝者の記録だけでなく、次の番付と秋場所の優勝争いを占ううえでも見逃せない15日間だった。