2026年の田久保氏をめぐる刑事事件では、複数の容疑が捜査対象となった一方、実際に起訴された事件と不起訴になった事件が分かれています。
この2つを混同すると、現在の裁判状況を正しく理解できません。
2026年3月30日:静岡地検が在宅起訴静岡地方検察庁は2026年3月30日、田久保氏を次の2つの罪で在宅起訴しました。
1.有印私文書偽造・同行使
起訴状によると、田久保氏は2025年5月29日ごろから6月4日までの間に、東洋大学の卒業証書を偽造したとされています。
検察側の主張では、インターネットで業者に作成させた大学関係者の印鑑を使用し、卒業証書とされる書類を作成。これを伊東市議会の正副議長や市職員らに提示したとされています。
2.地方自治法違反
こちらは、2025年8月13日の百条委員会での証言が問題となっています。
田久保氏は、除籍を知ったのは2025年6月28日だったと説明しました。
しかし検察側は、実際にはそれ以前から卒業していないことを認識していたにもかかわらず、百条委員会で虚偽の陳述をしたとして起訴しています。
田久保氏側は、これらの容疑について犯罪の成立を否定しています。
2026年6月10日:公職選挙法違反など3容疑は不起訴一方、2026年6月4日に追送検された別の3容疑については、静岡地検が6月10日に不起訴処分としました。
| 容疑 | 不起訴の理由 |
|---|---|
| 公職選挙法違反 | 虚偽の経歴が記載された調査票の作成・提出への関与を立証することが困難 |
| 虚偽公文書作成・同行使 | 市の広報誌の作成・行使への本人の関与を認める証拠が不十分 |
| 地方自治法違反 | 百条委員会への記録不提出や出頭拒否などについて、犯罪成立の立証が困難 |
いずれも不起訴の理由は嫌疑不十分です。
ここで重要なのは、6月10日の不起訴処分によって、3月30日に起訴された事件まで取り消されたわけではないことです。
卒業証書の偽造・行使と百条委員会での虚偽陳述については、引き続き刑事裁判の対象となっています。
2026年8月25日:押収パソコンから卒業証書データを発見2026年8月、事件に新たな動きがありました。
静岡朝日テレビやテレビ静岡などが報じたところによると、2026年2月に静岡県警が田久保氏の自宅から押収したパソコンを解析した結果、偽造されたとされる卒業証書のデータが見つかったといいます。
警察は、パソコンで作成した卒業証書に、インターネットで注文した印鑑を押したとみていると報じられました。
この報道で注目されたのは、田久保氏側の反論です。
テレビ静岡の8月26日の報道によると、弁護側は8月24日付で、本人は卒業証書を作成していないという趣旨の書面を裁判所に提出しました。
弁護側の主張は、おおむね次の内容です。
- 田久保氏本人が大学関係者の印鑑を注文・受領した事実はない。
- 卒業証書を偽造する動機がなかった。
- 仮に書類が偽物なら、第三者が作成した可能性がある。
- 有印私文書偽造だけでなく、百条委員会での虚偽陳述についても無罪を主張する方針。
また、偽造されたとされる卒業証書の現物については、弁護士側が保管しており、押収拒絶権を理由に提出を拒否していることも報じられています。
パソコンのデータ発見で有罪が決まったわけではない今回のデータ発見は、検察側にとって重要な証拠となる可能性があります。
しかし、データが発見されたことと、田久保氏本人が作成したことが法廷で証明されたことは同じではありません。
今後の裁判では、少なくとも次の点が重要になります。
1. 卒業証書のデータがいつ、どのように作成されたのか。
2. 実際に作成した人物は誰なのか。
3. 印鑑の注文・受領と田久保氏との関係はどうだったのか。
4. 書類を提示した際、本人に偽造の認識があったのか。
5. 百条委員会での証言が、当時の本人の認識とどう食い違っていたのか。
特に注目されるのは、パソコンに残されたデータと、弁護側が主張する第三者作成説をどう検証するかという点です。
ここが裁判の大きな争点になると考えられます。
【公判前整理手続きとは?】静岡地裁の裁判と今後の見通し

田久保氏の刑事裁判では、公判前整理手続きが重要な意味を持っています。
公判前整理手続きは2026年5月に実施決定2026年4月15日、田久保氏側が静岡地方裁判所に公判前整理手続きを請求したことが報じられました。
その後、静岡地裁は5月18日付で実施を決定しています。
公判前整理手続きとは、正式な裁判が始まる前に、裁判官・検察官・弁護人が証拠や争点を整理する制度です。
今回の事件では、検察側の主張に対して弁護側がどのような反論をするのか、どの証拠を採用するのかといった点を事前に整理することになります。
2026年6月11日の報道では、弁護士が初公判は秋ごろになるとの見通しを示していました。
2026年11月現在、初公判はどうなっている?11月5日時点で確認できる主な裁判関連の報道は、8月下旬のパソコンデータ発見と弁護側の無罪主張に関するものです。
初公判の日程が確定したとの公表は確認できず、裁判の準備段階に関する情報が中心となっています。
今後は、公判前整理手続きで争点と証拠が整理された後、正式な公判へ進むことになります。
現段階では、判決の時期や結論を予測することはできません。
今後注目すべき3つのポイント
卒業証書の作成者
パソコンに残されたデータと、弁護側が主張する第三者作成説の関係が焦点です。
本人の認識と故意
大学を卒業していないと認識していたか、偽造とされる行為に故意があったかが問われます。
百条委員会での証言
6月28日以前の認識をめぐる検察側の主張と、田久保氏側の反論がどう判断されるかが重要です。
【評判と現在の活動】後援会・SNS・市長選落選後の動向
田久保真紀氏の現在を考えるうえでは、刑事事件だけでなく、政治的な支持や本人の発信状況も見逃せません。
2025年12月の市長選で4,131票を獲得田久保氏は失職後、2025年12月14日の出直し市長選挙に立候補しました。
伊東市の公式開票結果によると、結果は次のとおりです。
| 候補者 | 得票数 | 結果 |
|---|---|---|
| 杉本憲也氏 | 13,522票 | 当選 |
| 小野達也氏 | 10,962票 | 落選 |
| 田久保真紀氏 | 4,131票 | 落選 |
田久保氏は9人の候補者のうち3位でした。投票率は60.54%でした。
2025年5月の初当選時には14,684票を獲得していたため、わずか半年ほどで選挙結果が大きく変化したことになります。
この結果は、学歴問題だけでなく、失職までの市政運営や議会との対立など、複数の要素が選挙で問われたことを示しています。
ただし、得票数だけで有権者全員の評価を断定することはできません。
田久保氏の現在の活動は?田久保氏の後援会公式サイトでは、2026年元日のメッセージとして、出直し市長選で落選したことへの言及と、今後については予定が未定であることが掲載されています。
また、後援会の活動として、次の内容が掲げられています。
- 支援者とのミーティングやイベントの開催
- 会員限定コンテンツの充実
- ウェブサイトを通じた情報発信
- 支援者との双方向のコミュニケーション
同サイトのお知らせ欄には、本人の近況について「特に変わりなく過ごしております」と題した発信も掲載されています。
ただし、後援会が掲げる活動計画と、実際に開催されたイベントや確定した政治活動の日程は区別する必要があります。
田久保氏の評判はどう変わったのか田久保氏の評判を考える際には、3つの観点があります。
1.市議会との信頼関係
最初の不信任決議は全会一致、2度目は19対1でした。議会との関係が大きく悪化していたことは、議決結果からも分かります。
2.有権者からの評価
初当選時の14,684票に対して、出直し市長選では4,131票となりました。政治的な支持の変化を考えるうえで、重要な数字です。
3.支持者との関係
失職後も後援会サイトやSNSで発信を続けており、本人と支援者とのつながりを維持しようとする動きが見られます。
こうした状況を総合すると、田久保氏は市長としての政治的な立場を失った一方、支援者との関係や情報発信の場を維持している状況です。
今後、政治活動を本格的に再開するのか、それとも裁判への対応を優先するのかが注目されます。
【田久保真紀の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:田久保真紀氏は現在、逮捕されているのですか?
A1:2026年3月30日に在宅起訴されていますが、在宅起訴は身柄を拘束せずに起訴する手続きです。逮捕・勾留されているという意味ではありません。
Q2:田久保真紀氏の公職選挙法違反は不起訴になったのですか?
A2:はい。2026年6月10日、静岡地検は公職選挙法違反など追送検された3容疑を嫌疑不十分で不起訴としました。ただし、卒業証書の偽造・同行使と百条委員会での虚偽陳述については、別の事件として在宅起訴されています。
Q3:田久保真紀氏は東洋大学を卒業していたのですか?
A3:大学の記録を調査した伊東市議会の百条委員会は、田久保氏が東洋大学法学部を卒業しておらず、除籍となっていたこと、正規の卒業証書が発行されていないことを確認しています。現在の刑事裁判では、卒業証書とされる文書の偽造や本人の関与などが争点になっています。
2026年11月現在の田久保真紀氏は、伊東市長を失職し、出直し市長選でも落選した後、刑事裁判に向けた手続きに直面している状況です。
今回の問題で押さえておきたいのは、次の4点です。
- 2025年10月31日に市議会の2度目の不信任決議で失職した。
- 2025年12月14日の市長選では4,131票で落選した。
- 2026年3月30日に有印私文書偽造・同行使などの罪で在宅起訴された。
- 公職選挙法違反など3容疑は6月に不起訴となった一方、8月には押収パソコンから卒業証書データが見つかったと報じられた。
【プロの結論】
この問題の本質は、単なる学歴の誤記にとどまりません。
市長という公職における経歴の正確性、行政の説明責任、議会による監視機能、そして刑事責任を判断する司法の役割が重なった地方自治の問題です。
特に、百条委員会の調査結果、検察による起訴・不起訴の判断、刑事裁判で確定する事実は、それぞれ異なるものとして理解する必要があります。
今後は、卒業証書の作成者をめぐる証拠の検証、弁護側の反論、百条委員会での証言に対する司法判断が大きな焦点になります。
田久保氏が再び政治の表舞台に立つ可能性も含め、2026年以降の動向は、刑事裁判の進展と本人の正式な活動発表を分けて追うことが重要です。