呼出の階級は、力士の番付とは異なる独自の仕組みで決まります。
最も上に位置するのが立呼出で、その下に副立呼出、三役呼出、幕内呼出と続きます。階級が上がるほど、長年の経験や技術が評価される立場になります。
呼出の階級が決まる仕組み日本相撲協会の令和7年度事業報告書によると、呼出の番附編成は、原則として毎年9月場所後の理事会で翌年度の階級順位を決定します。
ここから分かるのは、呼出の階級が毎年見直される仕組みになっていることです。
ただし、現在の昇進条件について、勤続年数や成績ごとの具体的な基準を網羅した最新の公式規程は、一般公開資料から確認できません。
そのため、「勤続何年で必ず幕内呼出になれる」「何歳になれば立呼出になれる」といった単純な年数計算はできません。
立呼出になるには?立呼出は呼出の最高位です。
立呼出を目指すには、呼び上げの技術だけでなく、太鼓や土俵築を含む呼出全体の仕事を長期間にわたって担う経験が欠かせません。
特に、長年の経験によって培われる声の通り方、力士の四股名を呼び上げる技術、土俵の状態を見極める能力などは、呼出という職業の専門性を象徴するものです。
一方、立呼出の人数は1名。副立呼出も1名と、上位階級の枠は限られています。
昇進を目指す人にとっては、単に勤続年数を重ねるだけでなく、専門技術と現場での信頼を積み重ねることが重要な職業です。
【装束補助費と仕事内容】呼出は給料以外に何を支給される?

呼出の待遇を考えるうえで、見落とせないのが装束補助費です。
日本相撲協会の事業報告書では、東京場所ごとに装束補助費を支給すると明記されています。
これは毎月の本俸・手当とは別に記載されている待遇です。ただし、2026年の支給額や個人ごとの金額は公表資料から確認できません。
装束補助費は毎月の給料とは別?装束補助費は、呼出が仕事で使用する装束に関係する補助です。
ここで注意したいのは、装束補助費を毎月の固定給に加算して計算しないことです。
公式資料の記載は「東京場所ごと」です。東京場所は一月・五月・九月の年3回開催されます。
したがって、給与体系を整理する場合は、次のように分けて考える必要があります。
- 本俸:基本となる月額給与
- 手当:能力や成績、勤務状況などを考慮する給与項目
- 装束補助費:東京場所ごとに支給される装束関連の補助
装束補助費の金額が明らかになれば待遇の全体像を把握しやすくなりますが、現時点で公開されている情報だけでは年額を算出できません。
呼出の仕事内容は「名前を呼ぶ」だけではない呼出の仕事は、一般の観客が想像するより幅広いものです。
日本相撲協会の定款第50条では、呼出の役割として土俵の構築、太鼓、力士の呼び出し、その他土俵に関する任務を挙げています。
代表的な仕事は次の3つです。
1. 呼び上げ
取組前に力士の四股名を呼び上げます。声の響きや節回しも大切な技術で、土俵の雰囲気をつくる役割を担います。
2. 太鼓
寄せ太鼓や触れ太鼓などを担当します。太鼓の音で本場所の開催や終了を知らせる、伝統的な仕事です。
3. 土俵築・土俵整備
土俵を築き、取組の合間には土俵を整えます。安全で円滑な競技進行を支える重要な仕事です。
日本相撲協会の公式クイズでも、この3つが呼出の三大業務として紹介されています。
かつてはそれぞれの業務を分担していましたが、昭和40年1月から全員がすべての業務を行う方式に変更されました。
表舞台での呼び上げだけでなく、観客が入場する前から土俵の準備や太鼓の仕事を行うことも、呼出の職務の一部なのです。
【呼出・行司・床山を比較】相撲を支える裏方の給料と待遇
大相撲には、呼出以外にも行司や床山といった専門職がいます。
いずれも力士とともに相撲協会を支える協会員ですが、仕事内容も給与体系も異なります。
3つの職業の役割の違い呼出は、力士の呼び上げ、土俵築、太鼓などを担当します。
行司は、土俵上で取組を進行し、勝負を裁く役割を担います。
床山は、力士の髪を結い、髷を整える専門職です。
日本相撲協会の公式説明でも、この3職種はそれぞれ異なる専門業務を担当する協会員として位置づけられています。
旧規程で見る給与の違い平成8年11月現在の施行細則を参考にすると、各職種の本俸基準には次のような違いがありました。
- 呼出:三役呼出以上は月36万~40万円
- 行司:立行司は月40万~50万円
- 床山:特等床山は月36万~40万円
また、呼出と床山の旧規程上の初任給は、いずれも本俸1万4,000円と手当12万6,000円を合わせた月14万円でした。行司についても、旧規程では同じ月14万円の初任給が記載されています。
ただし、これらは過去の規程に基づく比較です。現在の3職種の給与水準を直接比較できる最新の公表数字ではありません。
収入だけでは比較できない専門職としての待遇3職種を比較すると、仕事の専門性がそれぞれ異なることが分かります。
呼出は土俵の構築や競技進行を支え、行司は勝負の進行を担い、床山は力士の髪を整える技術を磨きます。
いずれも長期的な経験と専門技術が求められる仕事です。
呼出の場合、特に土俵築や太鼓など、相撲興行の運営そのものに関わる業務を複数担当する点が特徴です。
単純に「呼出の給料は行司より低い」といった比較をするより、職務内容、階級、手当、装束補助費を分けて見るほうが、実際の待遇を理解しやすくなります。
【よくある質問】相撲の呼び出しの給料に関するFAQ
Q1:相撲の呼び出しの給料は月給制ですか?
月給制です。日本相撲協会の令和7年度事業報告書には、呼出全員に月給制による給与を支給していると記載されています。給与は本俸と手当を基本とする仕組みです。
Q2:立呼出の給料は月40万円以上ですか?
1996年時点の旧規程では、三役呼出以上の本俸が月36万~40万円とされていました。ただし、立呼出独自の金額ではなく、2026年現在の給与を示す数字でもありません。
Q3:序ノ口呼出の初任給はいくらですか?
旧規程では、呼出の初任給は本俸1万4,000円、手当12万6,000円、合計14万円でした。現在の初任給は公表資料から確認できません。
Q4:呼出には装束補助費も支給されますか?
はい。日本相撲協会の事業報告書では、東京場所ごとに装束補助費を支給すると記載されています。ただし、具体的な金額は公表されていません。
Q5:呼出の年収はどれくらいですか?
2026年の正確な年収は公表されていないため、確定的な金額は分かりません。旧規程の初任給14万円を12倍した168万円という数字は、過去の制度に基づく単純換算です。
Q6:呼出の最高位は何ですか?
最高位は立呼出です。その下に副立呼出、三役呼出、幕内呼出、十枚目呼出、幕下呼出、三段目呼出、序二段呼出、序ノ口呼出と続きます。
相撲の呼出の給料を調べるうえで、最も重要なのは、現在確認できる制度と過去の給与額を混同しないことです。
2026年11月現在、確実に押さえておきたい要点は次のとおりです。
- 呼出全員に月給制による給与が支給されている。
- 給与は本俸と手当を基本とする体系である。
- 東京場所ごとに装束補助費が支給されている。
- 階級は立呼出から序ノ口呼出までの9段階。
- 階級の順位は原則として毎年9月場所後の理事会で翌年度分が決定される。
- 最新の階級別月給や個人別年収は一般公開資料から確認できない。
特に、ネット上で紹介される月14万円や月40万円といった数字は、平成8年11月現在の旧規程に由来する歴史的な参考値です。現在の給与として紹介するのは正確ではありません。
呼出は、力士の四股名を呼ぶだけの仕事ではありません。土俵を築き、太鼓を打ち、取組の進行を支える専門職です。
【プロの結論】
呼出の待遇を正しく評価するには、月給だけでなく、本俸、手当、装束補助費、階級、仕事内容を総合的に見る必要があります。
また、立呼出という最高位に到達するまでには、長年の経験と専門技術の積み重ねが欠かせません。
2026年の実際の給与水準を知るためには、日本相撲協会による給与規程や階級別の支給額の公表が待たれます。現時点では、公式事業報告書で確認できる待遇の仕組みと、旧規程に残る歴史的な金額を分けて理解することが、最も確かな判断基準です。