2026年11月現在、日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」は、日本の高血圧診療における最新の基準です。従来の2019年版から約6年ぶりの改訂となり、国民全体の血圧管理から一般診療、専門的な治療までを3部構成で整理しています。
特に注目したいのが、降圧目標です。JSH2025では、原則として年齢によらず、診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満を目指す方針が示されました。
ただし、数字を下げれば下げるほどよいという意味ではありません。立ちくらみや腎機能の低下、電解質異常などを避けるため、本人の体調や持病、生活環境に応じた調整が必要です。
2026年1月30日にはガイドラインの重要な図表を収録したダイジェスト版も発行され、同年3月31日には日本高血圧学会の公式ページで正誤表が公開されています。
家庭血圧と診察室血圧の目標値| 項目 | JSH2025の目標 |
|---|---|
| 診察室血圧 | 130/80mmHg未満 |
| 家庭血圧 | 125/75mmHg未満 |
| 高血圧の診断基準・診察室 | 140/90mmHg以上 |
| 高血圧の診断基準・家庭 | 135/85mmHg以上 |
※降圧目標と高血圧の診断基準は別の数値です。実際の治療では個人の状態に応じた判断が必要です。
家庭血圧を測るときは、次の方法が基本です。
- 朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食・服薬前
- 夜:就寝前
- 測定前に1〜2分程度安静にする
- 原則として1回につき2回測定し、その平均値を記録する
- 上腕式の血圧計を使用し、測定条件をできるだけ統一する
家庭血圧は診察室での一時的な測定よりも、日常生活における血圧の変化を把握しやすいという利点があります。
毎日の数値を記録することで、薬の効果や季節による変動、服薬後の血圧低下などを医師と共有できます。
【種類別に比較】血圧の薬5種類の効果と副作用

血圧の薬は、作用する場所や仕組みによって分類されます。
JSH2025が主要な降圧薬として位置付けているのは、長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、少量のサイアザイド系利尿薬、β遮断薬です。
それぞれの特徴を理解すると、自分の薬がなぜ処方されているのかが分かりやすくなります。
1. Ca拮抗薬:血管を広げて血圧を下げるCa拮抗薬は、日本でも広く使用されている降圧薬です。
血管の平滑筋にカルシウムイオンが流入する働きを抑え、血管を拡張させることで血圧を下げます。
代表的な成分には、アムロジピン、ニフェジピンなどがあります。
主な特徴
- 血管を広げて末梢血管抵抗を下げる
- 長時間作用型の薬は1日1回の服用で管理しやすい
- 脳血管障害や狭心症などの病態も考慮して選択される
主な副作用
- 足首やすねのむくみ
- 顔のほてり
- 頭痛
- 動悸
- 歯肉肥厚
特に注意したいのが、足のむくみです。
血管が拡張することで毛細血管の圧力バランスが変化し、下肢に水分がたまりやすくなることがあります。
むくみが強い場合は、薬の変更や組み合わせの調整について医師に相談してください。
2. ARB:血管を収縮させる物質の働きを抑えるARBは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の略称です。
体内で血管を収縮させる働きを持つアンジオテンシンIIが、受容体に結合するのを妨げます。
代表的な成分は次のとおりです。
- ロサルタン
- カンデサルタン
- バルサルタン
- テルミサルタン
血管を拡張させるほか、腎臓への負担を考慮して選択されることもあります。特に蛋白尿を伴う慢性腎臓病などでは、重要な選択肢です。
主な副作用・注意点
- 血清カリウム値の上昇
- 腎機能の変化
- 血圧低下
- まれに血管浮腫
ARBは妊娠中には使用できない薬剤です。妊娠を希望する場合も、事前に処方医へ相談する必要があります。
3. ACE阻害薬:アンジオテンシンIIの産生を抑えるACE阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素の働きを阻害する薬です。
アンジオテンシンIIが作られる過程を抑えることで、血管の収縮を防ぎ、血圧を低下させます。
代表的な成分には、エナラプリル、イミダプリル、リシノプリルなどがあります。
主な副作用
- 空咳
- 高カリウム血症
- 腎機能の変化
- 血圧低下
- まれに血管浮腫
特徴的なのは空咳です。
薬を飲み始めてから乾いた咳が続く場合、ACE阻害薬が原因の可能性があります。医師が必要性を判断したうえでARBなどへの変更を検討することがあります。
ACE阻害薬も妊娠中は使用できません。
4. 利尿薬:余分な水分とナトリウムを排出する利尿薬は、腎臓に作用して尿中へのナトリウムや水分の排出を促します。
体内の循環血液量を減らし、血圧を下げる仕組みです。
高血圧治療では、少量のサイアザイド系利尿薬が主要な選択肢として挙げられています。
代表例はヒドロクロロチアジドやトリクロルメチアジドなどです。
主な副作用・注意点
- 低カリウム血症
- 低ナトリウム血症
- 尿酸値の上昇
- 脱水
- 腎機能の変化
- 光線過敏症
特に痛風や高尿酸血症がある人は、薬の選択に注意が必要です。
また、夏場の発汗や下痢、嘔吐などによって脱水が起きると、血圧が過度に低下したり腎機能に影響したりすることがあります。
5. β遮断薬:心臓の働きや交感神経の作用を抑えるβ遮断薬は、交感神経の働きに関係するβ受容体を遮断する薬です。
心拍数や心臓の収縮力を抑え、血圧を下げます。
代表的な成分には、ビソプロロールやカルベジロールなどがあります。
特に狭心症、心筋梗塞後、心不全、大動脈疾患などを合併している場合に重要な役割を果たします。
主な副作用・注意点
- 脈が遅くなる
- 立ちくらみ
- 疲労感
- 手足の冷え
- 気管支収縮に関する注意
喘息のある人や脈拍が極端に遅い人では、薬剤選択に慎重さが大切です。
また、β遮断薬は自己判断で急に中止してはいけません。急な中断によって心拍数や血圧が反動的に上昇することがあります。
主な降圧薬の比較表| 薬の種類 | 主な作用 | 代表的な副作用 | 特に確認したいこと |
|---|---|---|---|
| Ca拮抗薬 | 血管を拡張 | むくみ、ほてり、頭痛 | 下肢のむくみ |
| ARB | アンジオテンシンIIの作用を阻害 | 高カリウム血症、腎機能変化 | 腎機能・カリウム値 |
| ACE阻害薬 | アンジオテンシンIIの産生を抑制 | 空咳、高カリウム血症 | 咳・血管浮腫 |
| 利尿薬 | 水分・ナトリウムを排出 | 電解質異常、尿酸値上昇 | 脱水・痛風 |
| β遮断薬 | 心拍数や心臓の働きを抑制 | 徐脈、立ちくらみ、疲労 | 脈拍・喘息 |
※副作用は薬剤や用量、体質、併用薬によって異なります。すべての人に同じ症状が出るわけではありません。
2025年のガイドラインでは薬の組み合わせも重視JSH2025では、降圧薬を段階的に組み合わせて血圧を管理する治療方針が示されています。
1種類の薬だけでは目標に届かない場合、別の作用を持つ薬を追加することがあります。
また、複数の成分を1錠にまとめた配合剤を使えば、服用する錠数を減らせる場合もあります。
薬を増やすことだけが治療の目的ではなく、十分な降圧効果と副作用の少なさを両立させることが大切です。
【服用期間の答え】血圧の薬はいつまで飲む?やめるリスクを解説
血圧の薬を飲み始めた人が最も気になるのが、服用期間と考えられます。
結論からいえば、血圧の薬に一律の服用終了日はありません。
高血圧は、生活習慣や遺伝的要因、加齢、血管の状態などが複雑に関係する病気です。薬によって血圧が下がっても、その背景にある原因まで解消したとは限りません。
血圧が正常になっても薬を続ける理由降圧薬を服用して血圧が正常範囲に入っている場合、その数値は薬の効果によって維持されている可能性があります。
つまり、血圧が安定していること自体が、治療がうまくいっている証拠でもあります。
薬をやめれば、再び血圧が上昇する可能性があります。
高血圧を放置すると、血管への負担が続き、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎臓病などのリスクが高まります。
血圧の薬を自己判断でやめる3つのリスクリスク1:血圧が再び上昇する
降圧薬を中止すると、それまで抑えられていた血圧が再上昇することがあります。
JSH2025の英語版解説論文では、降圧薬の中止後、約4人に3人で血圧が再上昇すると報告されています。
特に、長期間にわたって高血圧を管理してきた人は、薬を中断した後の変化に注意が必要です。
リスク2:脳卒中や心臓病のリスクが高まる
血圧が急に上昇すると、血管に大きな負担がかかります。
その結果、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの脳心血管病につながる危険性があります。
リスク3:持病に対する治療効果まで失う
降圧薬の中には、単に血圧を下げるだけでなく、心不全や心筋梗塞後、慢性腎臓病などの治療目的で処方されているものがあります。
その場合、血圧が正常だからという理由だけで薬を中断すると、もともとの病気に対する治療にも影響する可能性があります。
血圧の薬を一生飲まなければならないのか必ずしもそうではありません。
生活習慣の改善によって血圧が長期間安定し、医師が薬を減らせると判断するケースもあります。
日本高血圧学会のガイドラインに関する解説では、薬を中止できる可能性がある人の特徴として、次の条件が示されています。
- 少量の薬を1種類だけ服用している
- 高血圧による臓器障害がない
- 減塩や減量などの生活習慣改善が十分に進んでいる
- 薬を中止しても家庭血圧が目標範囲で安定する
ただし、これらを満たしていても、中止後の血圧測定と経過観察が必要です。
血圧が正常になったからといって、自分で薬をやめることは避けてください。
【安全対策】血圧の薬の飲み合わせで注意したい組み合わせ
血圧の薬を服用している人は、市販薬やサプリメント、食品との相互作用にも注意が必要です。
特に、複数の薬を服用している人や腎機能が低下している人は、薬剤師にも服薬内容を確認してもらうと安心です。
NSAIDsと降圧薬の組み合わせNSAIDsは非ステロイド性抗炎症薬のことで、痛み止めや解熱剤などに使われる成分です。
一部のNSAIDsは腎臓の血流に影響し、降圧薬の効果を弱めることがあります。
特に注意したいのが、次の3種類の組み合わせです。
- ARBまたはACE阻害薬
- 利尿薬
- NSAIDs
この3種類の組み合わせは「トリプルワーミー」と呼ばれ、腎機能の低下や急性腎障害のリスクが問題になります。
市販の鎮痛薬を購入するときも、薬剤師に降圧薬を服用していることを伝えましょう。
グレープフルーツと一部のCa拮抗薬グレープフルーツに含まれる成分は、薬物代謝酵素CYP3A4の働きを阻害することがあります。
その結果、一部のCa拮抗薬では血中濃度が上昇し、薬の作用が強くなる可能性があります。
ただし、Ca拮抗薬のすべてが同じ影響を受けるわけではありません。
ニフェジピンなど一部の薬では注意が必要ですが、具体的な制限は処方薬ごとに異なります。
ARB・ACE阻害薬とカリウム製剤ARBやACE阻害薬を服用している場合、血液中のカリウム値が上昇することがあります。
そこにカリウム製剤やカリウムを多く含む一部のサプリメント、カリウム保持性利尿薬などが加わると、高カリウム血症の危険性が高まります。
腎機能が低下している人は特に注意が必要です。
注意したい飲み合わせの一覧| 組み合わせ | 注意する理由 |
|---|---|
| ARB・ACE阻害薬+利尿薬+NSAIDs | 腎機能低下・急性腎障害 |
| Ca拮抗薬+グレープフルーツ | 一部薬剤の血中濃度上昇 |
| ARB・ACE阻害薬+カリウム製剤 | 高カリウム血症 |
| β遮断薬+一部のCa拮抗薬 | 徐脈・心臓の伝導障害 |
| 降圧薬+過度の飲酒 | 血圧低下やふらつき |
薬の飲み合わせは、成分だけでなく用量や腎機能、心臓の状態によっても変わります。
新しい薬を使うときは、お薬手帳を提示し、処方医や薬剤師に確認してください。
【減薬の現実】血圧の薬を減らす方法と医師に相談する目安
薬の量を減らしたい場合、最初に取り組みたいのが生活習慣の見直しです。
JSH2025では、薬物療法だけでなく、食事や運動、体重管理などを組み合わせた血圧管理が重視されています。
1. 減塩を徹底する高血圧の人に推奨される食塩摂取量の目標は、1日6g未満です。
特に日本人は、しょうゆ、みそ汁、漬物、加工食品などから塩分を摂取しやすい食生活になっています。
実践したい工夫は次のとおりです。
- しょうゆやソースをかける量を減らす
- 麺類のスープを飲み干さない
- 漬物や加工食品を食べる頻度を見直す
- 香辛料や酢、香味野菜を活用する
極端な食事制限ではなく、毎日の食事で無理なく続けられる方法を選びましょう。
2. 適正体重を目指す肥満は高血圧のリスク要因の一つです。
JSH2025では、BMI25未満を適正体重維持の目安として示しています。
体重が増えている人は、食事量や間食、運動習慣を見直すことで血圧の改善につながる可能性があります。
ただし、高齢者や低体重の人が無理に体重を落とすことは望ましくありません。
3. 適度な運動を継続するガイドラインでは、軽度から中等度の有酸素運動を1日30分以上行うことが推奨されています。
具体的には次のような運動があります。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 自転車
- 水中歩行
- 無理のない筋力トレーニング
運動習慣がない人は、短時間の散歩から始めても構いません。
心臓病や関節疾患などがある場合は、運動の種類や強度について医師に相談してください。
4. 飲酒量や睡眠を見直す過度の飲酒は血圧上昇につながることがあります。
飲酒量を減らすことに加え、睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群など、血圧に影響する要因も確認したいところです。
特に、いびきが強い、睡眠中に呼吸が止まると指摘された、日中に強い眠気があるといった人は、医療機関で相談する価値があります。
医師に減薬を相談したい5つの状況次のような場合は、次回の診察を待たずに相談することも検討してください。
1. 家庭血圧が継続的に低い値で推移している
2. 立ち上がったときにふらつくことが増えた
3. 薬を飲むと強い疲労感やむくみが出る
4. 食事や運動の改善によって血圧が安定してきた
5. 複数の薬を服用しており、薬の整理を希望している
特に、収縮期血圧が120mmHgを下回る状態では、過度な降圧による症状に注意が必要です。
ただし、目標より低い数値が出たからといって、すぐに減薬が必要とは限りません。
家庭血圧の記録、立ちくらみなどの自覚症状、腎機能や電解質の検査結果を合わせて判断します。
減薬を相談するときに準備したい情報医師に相談する際は、次の情報をまとめておくと判断がスムーズになります。
- 朝と夜の家庭血圧
- 服薬している薬の名前と用量
- 立ちくらみやむくみなどの症状
- 体重の変化
- 食事や運動習慣の変化
- 市販薬やサプリメントの使用状況
減薬は、必要に応じて1剤ずつ用量を調整しながら進めます。薬を減らした後も家庭血圧を測定し、再上昇がないか確認することが欠かせません。
【プロの結論】血圧の薬で失敗しないための判断基準
血圧の薬を選ぶ際に大切なのは、薬の種類や強さだけで判断しないことです。
同じ高血圧でも、心臓の状態、腎機能、糖尿病、脳血管障害の既往、年齢、生活習慣によって適した薬は異なります。
JSH2025が主要降圧薬を整理し、段階的な併用治療を示した背景にも、患者ごとの病態に合わせた血圧管理という考え方があります。
薬を選ぶときに確認したい3つのポイントポイント1:血圧を下げるだけでなく、持病との相性を見る
腎臓に蛋白尿がある人、狭心症を合併している人、心不全の人では、薬を選ぶ理由が異なります。
単純に降圧効果の強さだけで比較せず、合併症に対する効果も確認する必要があります。
ポイント2:副作用を我慢し続けない
足のむくみや空咳、立ちくらみ、強い疲労感などがある場合は、医師に伝えてください。
副作用があるからといって、必ずしも薬物治療そのものをやめる必要はありません。
薬の種類や量、組み合わせを変更することで改善する場合があります。
ポイント3:家庭血圧を治療の判断材料にする
診察室で測定した血圧だけでは、日常生活の血圧変動を十分に把握できないことがあります。
朝と夜の家庭血圧を継続的に記録することが、薬の効果判定や減薬の相談に役立ちます。
2026年に知っておきたい重要な誤解- 誤解:血圧が正常になったら薬は不要。 正しくは、薬の効果によって正常値が維持されている可能性がある。
- 誤解:血圧の薬はすべて同じ。 正しくは、作用機序や副作用、合併症への効果が異なる。
- 誤解:薬を飲めば生活習慣は変えなくてよい。 正しくは、服薬中も減塩や運動、体重管理が必要。
- 誤解:薬を減らすことはできない。 正しくは、条件が整えば医師の管理下で減量や中止を検討できる。
- 誤解:複数の薬を飲むのは治療の失敗。 正しくは、異なる作用の薬を組み合わせることで、効果と安全性のバランスを取れる場合がある。
高血圧治療で目指すのは、薬をゼロにすることだけではありません。
脳卒中や心筋梗塞、腎機能低下などのリスクを減らしながら、日常生活の質を保つことが本来の目的です。
【血圧の薬】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:血圧の薬を飲み始めたら一生やめられませんか?A:必ずしも一生服用するとは限りません。生活習慣の改善によって血圧が安定し、臓器障害などの問題がなければ、医師の判断で減薬や中止を検討できる場合があります。ただし、自己判断での中止は避けてください。
Q2:血圧の薬を飲み忘れたら、次に2回分飲んでもよいですか?A:自己判断で2回分をまとめて飲むことは避けてください。薬の種類や服用時刻によって対応が異なります。処方時の説明書を確認し、不明な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
Q3:血圧の薬は朝と夜のどちらに飲むのがよいですか?A:薬の作用時間や種類、患者の血圧変動によって異なります。朝の服用が基本となる薬もあれば、医師が夜の服用を指示する場合もあります。自分の判断で服用時刻を変更しないでください。
Q4:血圧が低くなりすぎたときはどうすればよいですか?A:立ちくらみやふらつき、強い倦怠感がある場合は、血圧を測定して記録し、処方医に相談してください。失神、胸痛、息苦しさ、意識や言葉の異常などがある場合は、速やかに救急対応を受けてください。
Q5:血圧の薬と市販の風邪薬や痛み止めは一緒に飲めますか?A:成分によっては血圧を上昇させたり、腎機能に影響したりする可能性があります。市販薬を購入する際は、服用中の降圧薬を薬剤師に伝え、飲み合わせを確認してください。
2026年の高血圧診療では、日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」が重要な基準となっています。
主要な降圧薬にはCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬があり、それぞれ異なる仕組みで血圧を下げます。副作用や飲み合わせにも違いがあるため、持病や体調に合わせた薬の選択が必要です。
血圧が安定しているからといって、自己判断で服用を中止することは避けましょう。一方、生活習慣の改善が進み、血圧が長期間安定している人は、医師と減薬の可能性を相談できます。
これからの血圧管理で意識したいのは、次の3点です。
- 毎日の家庭血圧を記録する
- 減塩・運動・体重管理を継続する
- 副作用や減薬の希望を医師・薬剤師に伝える
薬を飲み続けること自体を目的にするのではなく、脳や心臓、腎臓を守りながら健康的な生活を維持することが大切です。自分の血圧と薬の役割を理解し、医療者と相談しながら無理のない治療を続けていきましょう。
※本記事は一般的な医療情報の解説です。個別の診断、処方変更、服薬中止の判断に代わるものではありません。
主な根拠資料
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」発刊情報・2026年正誤表
- Mindsガイドラインライブラリ掲載のJSH2025
- Hypertension Research 掲載のJSH2025英語版解説論文
- 厚生労働省「薬局における疾患別対応マニュアル~心血管疾患~」
- 日本薬学会「薬学用語解説」