2026年のラブコスメの調査で注目されたのは、EカップとDカップがほぼ同じ割合で並んだことだ。
株式会社ナチュラルプランツが運営するラブコスメは、2026年1月に全国の女性470人から回答を集め、「平均バストサイズ日本地図2026」を公開した。
その結果、回答者のカップサイズは次のようになった。
- Eカップ:20.2%
- Dカップ:20.0%
- Cカップ:18.1%
Eカップが最も多く、Dカップがわずか0.2ポイント差で続いている。Dカップ以上の割合は合計65.9%だった。
この数字だけを見ると、2026年の日本人女性の平均はEカップに近いようにも感じられる。しかし、ここには調査方法に関する大切な注意点がある。
470人アンケートは日本全国の女性を代表する統計ではないラブコスメの調査対象は、同社の顧客アンケートに回答した女性470人だ。
つまり、全国の女性を無作為に抽出した人口統計ではない。バストケアや美容への関心が高い人が回答しやすい可能性もあり、一般女性全体のサイズ分布とは異なる結果になる余地がある。
また、回答者が申告したカップサイズと、専門スタッフが採寸したサイズも区別する必要がある。
この調査は、2026年の消費者意識やサイズ分布を知る資料としては興味深いが、日本人女性全体の平均カップ数を確定するものではない。
トリンプのデータではCカップが最多比較対象になるのが、トリンプ・インターナショナル・ジャパンが公表している2018年のブラジャー年間売上データだ。
こちらはアンケート回答ではなく、実際に販売されたブラジャーのカップ別割合を集計したものとなる。
| カップサイズ | 2018年売上割合 |
|---|---|
| Aカップ | 2.1% |
| Bカップ | 17.9% |
| Cカップ | 26.9% |
| Dカップ | 26.3% |
| Eカップ | 18.8% |
| Fカップ | 6.4% |
| Gカップ | 1.6% |
Cカップが26.9%で最多、Dカップが26.3%で続く。Eカップも18.8%を占めている。
このデータからは、2018年時点ではC~Dカップが販売の中心だったことが分かる。
2026年調査とメーカー販売データの比較両者の違いを整理すると、次のようになる。
この比較から見えてくるのは、2026年の調査でEカップが最多だったからといって、日本人女性全体の平均がCカップからEカップへ移行したと断定できるわけではないということだ。
調査対象と集計方法が違う以上、数字をそのまま横並びにして増減を判断することはできない。
【都道府県別の平均カップ数は?2026年のランキングと地域差】

ラブコスメの2026年調査では、都道府県別の平均カップ数にも特徴的な結果が表れた。
最も平均スコアが高かったのは山形県。岩手県や奈良県も上位に入り、京都府の変化も注目された。
2026年に注目された都道府県今回の調査で公表された主な地域別の動向は次のとおりだ。
- 山形県:2026年の平均スコアが全国トップ。2023年調査ではCカップだった。
- 岩手県:2023年調査の平均はCカップ。今回の調査では大きく上昇した地域の一つ。
- 奈良県:2023年調査ではCカップだったが、2026年には上昇傾向が見られた。
- 京都府:2023年のBカップから2026年にはEカップとなり、3カップ分の変化が報告された。
また、前回調査との比較では、16都道府県で平均カップ数が上昇した。
特に大きな変化として発表されたのが、2012年の調査開始以来初めて、平均Bカップ以下の都道府県がなくなり、全都道府県でCカップ以上となった点だ。
都道府県によって胸の大きさが違う理由は?地域別ランキングを見ると、住んでいる場所によってバストサイズに違いがあるように感じるかもしれない。
ただし、この結果を地域住民の身体的特徴の違いと直結させるのは早計だ。
今回の回答者は470人であり、47都道府県に均等に分配された大規模な調査ではない。各都道府県の回答者数や年齢構成、体型の構成が違えば、平均値にも影響する。
加えて、自己申告によるカップサイズには、過去の採寸結果をそのまま回答した人や、現在使用しているブラジャーの表記を回答した人が含まれる可能性がある。
地域別の数字を読む際には、順位だけでなく調査規模と集計条件も見る必要がある。
地域ランキングよりも注目したい調査の変化今回の結果で興味深いのは、単にどの県が大きいかという順位ではない。
2012年、2018年、2023年、2026年と継続して調査が実施されてきたことで、同じ企業のアンケートにおける回答分布の変化を追える点だ。
ただし、調査時期ごとに回答者の属性や構成が同じとは限らない。したがって、3年間で2~3カップ上昇したという結果を、その地域の女性の身体が実際に同じだけ変化したという意味に読み替えることはできない。
【トリンプのカップ別売上比率から見る日本人女性のサイズ変化】
日本人女性のバストサイズを考えるうえで、トリンプの長期的な販売データも参考になる。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンは、1980年から年間売上データに基づいてブラジャーのカップ別割合を集計してきた。
2019年8月2日に発表された「下着白書 vol.19」では、平成30年間の変化が紹介されている。
1980年から2018年までに何が変わった?1980年の販売割合ではAカップが58.6%を占めていた。
当時はAカップが過半数を占め、Dカップ以上はわずか4.5%だった。
一方、2018年にはDカップ以上の割合が53.1%となり、半数を超えている。
この変化は、ブラジャー市場におけるサイズ構成が大きく変わったことを示している。
なぜカップ別の売上割合が変わったのか考えられる要因は一つではない。
1. サイズ計測の普及:専門店での採寸やフィッティングを通じて、自分に合うサイズを知る機会が増えた。
2. 商品ラインアップの拡大:大きいカップや細かいアンダーサイズの商品が選びやすくなった。
3. 消費者の購買行動の変化:ブラジャーの種類や購入先が多様化した。
4. カップ付きインナーの普及:従来のブラジャーを購入する人の構成にも影響する可能性がある。
特に注目したいのが、2026年3月30日付の繊研新聞の報道だ。
同紙は、バストのボリュームを抑える機能性インナーの市場が広がっていると報じている。
これは、バストサイズが大きいことを一律に歓迎するのではなく、着用時の快適さや洋服のシルエットなど、消費者が下着に求める価値が多様化していることを示す動きだ。
つまり、カップ別販売割合の変化は、女性の身体的な変化だけで説明できるものではない。下着市場の進化や消費者の選択の変化も含めて理解する必要がある。
【カップ数の仕組みとは?トップバストとアンダーバストの差を解説】
胸の大きさを表すカップ数は、見た目やトップバストの数字だけで決まるものではない。
ブラジャーのサイズは、基本的に次の2つの数字で構成されている。
- カップサイズ:A、B、C、D、Eなど
- アンダーバスト:65、70、75、80など
例えば「C70」なら、Cカップでアンダーバストのサイズが70cm程度という意味になる。
トップバストとアンダーバストの差がカップを決めるカップサイズの基本的な考え方は、次の計算式で表せる。
トップバスト-アンダーバスト=サイズ差
ワコールが公表しているブラジャーサイズ表では、サイズ差の目安は以下のようになっている。
| カップ | トップとアンダーの差 |
|---|---|
| AA | 約7.5cm |
| A | 約10cm |
| B | 約12.5cm |
| C | 約15cm |
| D | 約17.5cm |
| E | 約20cm |
| F | 約22.5cm |
| G | 約25cm |
| H | 約27.5cm |
| I | 約30cm |
※メーカーのサイズ表や採寸基準によって適用範囲に違いがある。上記はワコールの公表する目安。
具体例:トップ87cm、アンダー72cmの場合実際に計算してみよう。
- トップバスト:87cm
- アンダーバスト:72cm
- サイズ差:15cm
87-72=15cmなので、カップの目安はCカップとなる。
アンダーバスト72cmは、ワコールのサイズ表では70サイズの範囲に入る。
したがって、ブラジャーサイズはC70が目安となる。
同じように、トップバスト90cm、アンダーバスト70cmなら、差は20cmなのでE70が目安だ。
同じカップでも胸のボリュームは違うここが、カップ数に関する最も大きな誤解の一つだ。
例えば、C65とC80は同じCカップでも、ブラジャーのカップ容積は同じではない。
アンダーバストが大きくなれば、対応するカップ容積も大きくなる。
トリンプの解説でも、F65とF75では見た目やカップのボリュームが異なると説明されている。
また、姉妹サイズと呼ばれる考え方もある。アンダーサイズを一段階上げるとカップを一段階下げ、近いカップ容積のサイズを探せる場合がある。
例えば、F65とE70は近い容量の目安として紹介されている。
そのため、「Eカップだから必ず大きい」「Cカップだから必ず小さい」といった判断は正確ではない。
アンダーバストの平均は何cm?トリンプのサイズ解説では、日本人女性のアンダーバストは70cm前後が平均的な目安として紹介されている。
ただし、これも国民全体を対象とした最新の公的統計ではない。
アンダーバストは骨格や体格、体重などの影響を受ける。70cmという数字はブラジャー選びの参考にはなるものの、すべての女性が目指すべき数値ではない。
【バストサイズの正しい測り方!自宅でできる4つの手順】
自分のカップ数を正しく知るためには、トップバストとアンダーバストの両方を測る必要がある。
ワコールやグンゼなどの下着メーカーも、採寸時にはメジャーの位置や姿勢が大切だと案内している。
手順1:柔らかいメジャーと鏡を用意する必要なものは、身体に沿わせられる柔らかいメジャーと全身が映る鏡だ。
測定するときは、厚手の服を避け、薄手の服やパッドの薄いブラジャーを着用する。
普段使っているブラジャーの中で、最もフィットしているものを着用して測る方法もある。
手順2:トップバストを測るトップバストは、胸のふくらみが最も高い部分の周囲を測る。
メジャーを背中から回し、バストの一番高い位置を通す。
大切なのは、メジャーを水平に保つこと。胸を押しつぶすほど強く締めず、自然な状態で測る。
バストの位置が下がっている場合は、ブラジャーを着用して持ち上げた状態で測る方法もある。
手順3:アンダーバストを測るアンダーバストは、胸のふくらみのすぐ下の周囲を測る。
背筋を伸ばし、自然に呼吸できる程度にメジャーを身体に沿わせる。
トップバストと同様、メジャーが背中側で斜めにならないように鏡で確認することが大切だ。
手順4:サイズ表に当てはめるトップとアンダーの数値が分かったら、差を計算してカップサイズを確認する。
例えば次のようになる。
| 項目 | 測定結果 |
|---|---|
| トップバスト | 85cm |
| アンダーバスト | 70cm |
| サイズ差 | 15cm |
| カップの目安 | C |
| ブラジャーサイズ | C70 |
ただし、採寸結果だけでブラジャーが完全にフィットするとは限らない。
ワコールは、正確な採寸には専門スタッフによる計測を推奨している。購入時には実際に試着し、カップの浮きや食い込み、アンダーの締め付けなども確認したい。
【年代別・体型別に見るバストサイズの個人差とよくある誤解】
同じカップ数でも、見た目が大きく違うことがある。
その理由は、カップ数が身体全体のボリュームを直接表す数値ではないからだ。
年代別の平均カップ数は公表されている?年代別のバストサイズは検索されやすいテーマだが、2026年のラブコスメの470人調査で公表されている主要な結果は、全体のサイズ分布と都道府県別の傾向だ。
年代別に全国女性の平均カップ数を比較できる詳細な数値は、この調査結果からは読み取れない。
一方、年代によって下着の選び方や採寸行動に違いがあることは、別の調査で確認できる。
ワコールが2026年3月に発表した20~50代女性2,000人の調査では、ブラジャー購入時に採寸しない人が46.7%、フィッティングをしない人が51.5%だった。
加えて、20代では販売員による採寸経験が46.6%、フィッティング経験が39.6%と、ほかの年代より高かった。
年代が上がるにつれて、採寸やフィッティングをしない傾向も報告されている。
この調査はカップ数の年代別平均を測ったものではないが、年齢によってサイズ確認の習慣が変わることを示すデータだ。
年齢とともにバストの形やハリも変化するラブコスメの2026年調査では、バストに関する悩みとして次の項目が挙げられている。
1. 年齢による下垂・ハリの減少
2. 産後・授乳後の変化
3. 左右差や離れ乳
4. 肌トラブル
ここで注目したいのは、カップ数だけでは説明できない悩みが多いことだ。
同じEカップでも、ハリや形、左右のバランス、デコルテのボリュームによって印象は異なる。
ブラジャーを着用しているときと外したときでも、見え方には差が生まれる。
カップ数は下着選びのための基準であり、胸の形や美しさを評価する尺度ではない。
体型によって同じカップでも見た目が違う理由バストの見た目には、いくつもの要素が関係する。
- 胸郭や肩幅などの骨格
- アンダーバストの太さ
- バストの脂肪の分布
- バストの位置や形
- 左右の大きさの違い
- 姿勢や洋服のデザイン
例えば、アンダー65cmのF65とアンダー75cmのF75では、同じFカップでもカップ容積に差がある。
また、身体全体が華奢な人と、肩幅や胴回りにボリュームがある人では、同じブラジャーサイズでもシルエットが異なる。
そのため、他人とカップ数を比較して、自分の身体を評価する必要はない。
ネットで広がる3つの誤解誤解1:Eカップが日本人女性の絶対的な平均である
2026年のラブコスメ調査ではEカップが最多だった。しかし、顧客アンケート470人の回答結果であり、全国女性の代表値とは異なる。
誤解2:Cカップなら胸のボリュームは小さい
カップ数はアンダーバストとの相対的な差で決まる。C80とC65ではカップ容積が異なるため、アルファベットだけでは判断できない。
誤解3:年齢が上がると必ずカップ数が小さくなる
加齢による形やハリの変化はあるものの、カップ数は体重や体型、採寸方法、ブラジャーのフィット感などによっても変わる。年齢だけでサイズを決めつけることはできない。
【胸の大きさの平均に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:日本人女性の胸の大きさの平均は何カップですか?
A1:トリンプの2018年販売データではCカップが26.9%、Dカップが26.3%で上位です。一方、ラブコスメの2026年470人アンケートではEカップが20.2%で最多でした。調査対象と方法が異なるため、全国共通の平均を一つに決めることはできません。
Q2:Eカップは日本人女性の何%くらいですか?
A2:ラブコスメの2026年調査では20.2%でした。トリンプの2018年販売データでは18.8%です。前者はアンケート回答の割合、後者は販売構成比なので、単純な増加率として比較することはできません。
Q3:胸の大きさはトップバストだけで決まりますか?
A3:いいえ。カップ数はトップバストとアンダーバストの差で決まります。例えばトップ85cm、アンダー70cmなら、差は15cmなのでCカップが目安です。
Q4:アンダーバストの平均は何cmですか?
A4:トリンプの解説では70cm前後が一つの目安として紹介されています。ただし、すべての日本人女性を対象にした公的な平均値ではありません。
Q5:都道府県によって平均カップ数は違いますか?
A5:ラブコスメの2026年調査では、山形県が最も高い平均スコアとなり、全都道府県でCカップ以上という結果でした。ただし、470人の顧客アンケートであり、地域全体の身体的特徴を示すものではありません。
Q6:自分のカップ数を正確に知るにはどうすればよいですか?
A6:トップバストとアンダーバストを測り、サイズ表に当てはめます。より正確に知りたい場合は、下着専門店で採寸とフィッティングを受ける方法がおすすめです。
2026年のバストサイズ調査を整理すると、日本人女性の平均カップ数について、調査方法によって異なる結果が出ていることが分かる。
ラブコスメの470人アンケートではEカップ20.2%、Dカップ20.0%。一方、トリンプの2018年販売データではCカップ26.9%、Dカップ26.3%だった。
この違いは、回答者の自己申告とメーカーの販売実績という、集計方法の違いを反映している。
また、カップ数はトップバストとアンダーバストの差で決まり、同じカップでもアンダーサイズによってカップ容積は変化する。
【プロの結論】
胸の大きさを比較するときに、本当に見るべきなのはカップ数だけではない。
- 平均値を知りたいなら、調査対象と集計方法を確認する。
- 自分のサイズを知りたいなら、トップとアンダーを正しく採寸する。
- ブラジャーを選ぶなら、数字だけでなく実際のフィット感を確認する。
- 年代や体型による違いを理解し、他人のサイズと自分を比較しすぎない。
2026年のワコールの調査でも、ブラジャー購入時に採寸や試着をしない人が半数前後に達していた。
平均カップ数を知ることは、自分のサイズを考えるきっかけにはなる。しかし、最も大切なのは平均に近づくことではなく、自分の身体に合った下着を選び、快適に過ごせることだ。
数字だけにとらわれず、正しい採寸とフィッティングを通じて、自分に合ったサイズを見つけたい。