野手と同様、投手陣も登板数だけで判断することはできない。先発候補なら投球回や勝敗、救援候補なら防御率やセーブ数、奪三振と与四球のバランスが重要になる。
2026年に注目したい若手先発投手NPBのファーム個人投手成績から、特に注目したい選手を挙げる。
- 門別啓人:22登板、7勝1敗、防御率2.66
- 茨木秀俊:17登板、6勝6敗、防御率3.89
- 今朝丸裕喜:16登板、3勝4敗、防御率3.13
- 能登嵩都:26登板、1勝6敗、防御率3.92
- 早瀬朔:9登板、2勝2敗、防御率6.82
門別は7勝を挙げ、勝率.875を記録した。ファームでの結果を一軍での先発機会につなげられるかが注目点になる。
茨木は85回2/3を投げており、今回挙げた若手投手の中でも投球回数が多い。長いイニングを経験することは、先発投手としての体力や試合の組み立てを身につけるうえで意味がある。
今朝丸も77回2/3を投げ、3勝を記録。若い投手にとっては、結果だけでなく年間を通じて登板機会を確保できたかどうかも重要な評価材料だ。
救援陣では津田淳哉とモレッタに注目救援投手では、津田淳哉とモレッタの数字が目を引く。
- 津田淳哉:38登板、3勝2敗、6セーブ、防御率1.99
- モレッタ:34登板、1敗、15セーブ、防御率1.87
- 石黒佑弥:21登板、1勝1敗、1セーブ、防御率1.32
- 岡留英貴:25登板、2勝0敗、防御率0.83
特に津田は38試合に登板して6セーブ、防御率1.99。救援投手としての実戦経験を積み重ねた。
石黒は防御率1.32、岡留は0.83と、失点を抑える結果を残している。
一軍のブルペンに加わるためには、単に防御率が良いだけではなく、連投への対応、走者を背負った場面での投球、左右打者への対応なども問われる。ファームの登板内容を継続して確認することが大切だ。
【ファーム・リーグ西地区】阪神2軍の順位と2026年のチーム状況

2026年はNPBのファーム・リーグが東・中・西の3地区制となった初年度だ。
阪神はオリックス、広島東洋、福岡ソフトバンクとともに西地区に所属。従来のファーム成績を比較する場合、2026年からリーグの区分が変わった点を理解しておきたい。
2026年西地区の最終順位NPBが公表した2026年の最終勝敗表は以下の通り。
| 順位 | 球団 | 試合 | 勝敗 | 勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 福岡ソフトバンク | 125 | 70勝49敗6分 | .588 |
| 2位 | オリックス | 119 | 54勝57敗8分 | .486 |
| 3位 | 阪神 | 126 | 49勝63敗14分 | .438 |
| 4位 | 広島東洋 | 121 | 47勝63敗11分 | .427 |
阪神は49勝63敗14分、勝率.438の3位でシーズンを終えた。首位ソフトバンクとは17.5ゲーム差だった。
阪神の予定試合数は146試合だったが、実際の消化試合数は126試合。2026年度のファーム公式戦は中止試合の再試合を行わない方式が採用されていた。
2026年から変わったファームの競争環境2026年のファーム・リーグは、次の4球団が西地区で競い合った。
- 阪神タイガース
- オリックス・バファローズ
- 広島東洋カープ
- 福岡ソフトバンクホークス
この変更によって、ファームの順位を見る際には、過去のウエスタン・リーグの順位と単純比較するのではなく、2026年の地区別成績を基準にする必要がある。
また、ファームは一軍の控え選手を集めたチームではない。若手の実戦経験を確保し、故障から復帰する選手の状態を確認し、一軍の戦力不足を補う選手を準備する役割を持つ。
チームの順位だけでなく、選手個人の出場機会や成績を確認することで、ファームの実態をより正確に把握できる。
【支配下登録と育成選手】阪神タイガース2軍の登録制度を解説
阪神のファームメンバーを調べるとき、混乱しやすいのが「支配下選手」と「育成選手」の違いだ。
両者は同じ球団に所属していても、契約上の登録区分が異なる。
支配下選手とは?支配下選手は、球団と通常の選手契約を結び、NPBの支配下選手として登録されている選手だ。
支配下登録には70人の上限がある。2026年7月31日時点で、阪神の登録人数は以下の通りだった。
- 支配下選手:70人
- 育成選手:10人
- 合計:80人
支配下選手であれば、必要な手続きを経て一軍の出場選手登録を受けることができる。
ただし、支配下登録されているからといって、必ず一軍にいるわけではない。ファームで調整する選手や、若手として実戦経験を積む選手も含まれる。
育成選手とは?育成選手は、将来の支配下登録を目指す選手を中心とした契約区分だ。
背番号は3桁であることが多く、阪神では120番台から130番台などの番号が使われている。
2026年の阪神の育成選手登録には、次の選手が含まれていた。
| 選手 | 登録区分・ポジション |
|---|---|
| 小川一平 | 育成・投手 |
| 松原快 | 育成・投手 |
| 伊藤稜 | 育成・投手 |
| 神宮僚介 | 育成・投手 |
| A.マルティネス | 育成・投手 |
| 嶋村麟士朗 | 育成・捕手 |
| 戸井零士 | 育成・内野手 |
| 川﨑俊哲 | 育成・内野手 |
| J.アルナエス | 育成・内野手 |
| 西純矢 | 育成・外野手 |
| 福島圭音 | 育成・外野手 |
| 山﨑照英 | 育成・外野手 |
| S.コンスエグラ | 育成・外野手 |
この一覧はシーズン当初の登録と、その後の変更を含むものだ。
2026年に育成から支配下へ移行した3選手特に押さえておきたいのが、2026年の育成から支配下への移行だ。
- 3月11日:嶋村麟士朗
- 3月30日:福島圭音
- 7月3日:神宮僚介
いずれもNPBの登録公示に記録されている。
育成選手が一軍公式戦に出場するには、まず支配下選手への移行が必要になる。そのうえで一軍の出場選手登録を受けなければならない。
つまり、ファームで好成績を残すことは昇格への重要な材料だが、支配下登録という制度上の段階も存在する。
育成から支配下への移行と、一軍への昇格は別の手続きである。この違いを知っておくと、選手の背番号や登録情報の変化を理解しやすくなる。
【一軍昇格・登録抹消】阪神2軍と1軍の入れ替えはどう決まる?
阪神の一軍と二軍は、シーズン中も選手の状態やチーム事情に応じて入れ替わる。
一軍昇格は、ファームで好成績を残した選手だけに与えられるものではない。チームのポジション事情、投手の登板間隔、故障者の発生、相手チームとの対戦条件なども関係する。
一軍登録と登録抹消の基本的な流れ一般的な流れは次の通りだ。
1. ファームで試合や練習を通じて状態を整える。
2. コーチ陣や球団が選手の調子、役割、チーム事情を確認する。
3. 一軍で起用する必要がある場合、出場選手登録を申請する。
4. NPBの公示によって登録が発表される。
5. 一軍での出場機会を得て、結果やコンディションを評価される。
反対に、一軍での起用が難しくなった選手や、調整が必要な選手は登録を抹消される。
登録抹消後は、原則として10日間が経過するまで再登録できない。特例措置が適用される場合は例外もある。
2026年10月の阪神で実際に起きた入れ替え阪神公式サイトの一軍登録抹消履歴には、2026年10月の選手の動きが記録されている。
特に注目したいのが次の3日間だ。
- 10月15日:立石正広が登録され、小野寺暖が抹消。
- 10月16日:岡城快生が登録され、髙橋遥人が抹消。
- 10月17日:濱田太貴が登録され、才木浩人と前川右京が抹消。
この記録から分かるのは、一軍登録が投手だけ、あるいは野手だけの問題ではないということだ。
例えば、野手の場合は外野手の人数や守備位置のバランス、代打・代走としての役割などが判断材料になる。投手の場合は先発と救援の構成、登板間隔、ブルペンの負担などが関係する。
立石、岡城、濱田の登録は、ファームでの経験を持つ選手にも一軍の出場機会が巡ってくることを示す実例だ。
ファームのスタメンと登録名簿は別物もう一つ、ファンが注意したいのが、選手名簿と試合当日のスタメンの違いだ。
ファームの登録選手であっても、毎試合出場するとは限らない。
例えば、次のような事情によって出場選手は変わる。
- 先発投手との相性や対戦条件
- 守備位置の練習や複数ポジションへの対応
- 故障明けの選手の出場制限
- 若手に打席や守備機会を与えるための起用
- 一軍選手の調整登板や調整出場
そのため、選手一覧だけを見て「この選手が現在の二軍の主力」と判断するのは早い。
実際の起用状況を知りたい場合は、NPBのファーム個人成績に加えて、当日の試合速報、スタメン、打席数、守備位置、投球回を確認するとよい。
【阪神タイガース2軍メンバー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の阪神タイガース2軍メンバーは誰ですか?
A1:投手では門別啓人、茨木秀俊、今朝丸裕喜、津田淳哉ら、野手では立石正広、井坪陽生、谷端将伍、百﨑蒼生、山田脩也らがファーム公式戦に出場しました。捕手では榮枝裕貴や嶋村麟士朗らも実績を残しています。シーズン中は一軍との入れ替えがあるため、固定されたメンバーではありません。
Q2:阪神の2軍には育成選手も所属していますか?
A2:はい。育成選手もファーム公式戦に出場します。ただし、一軍公式戦に出場するには支配下登録への移行と一軍の出場選手登録が必要です。2026年は嶋村麟士朗、福島圭音、神宮僚介が育成から支配下へ移行しました。
Q3:立石正広は2026年に2軍でどのような成績を残しましたか?
A3:NPBの2026年度ファーム公式戦成績では、51試合、179打数44安打、打率.246、4本塁打、25打点を記録しました。二塁打10本も記録しており、長打面でも経験を積んだシーズンでした。
Q4:阪神の2軍と1軍の選手は自由に入れ替えられますか?
A4:自由に入れ替えられるわけではありません。支配下登録、出場選手登録、登録抹消などのNPBの制度に従う必要があります。登録抹消後は原則10日間の再登録制限もあります。育成選手については、まず支配下登録への移行が必要です。
Q5:阪神の2軍メンバーとファームのスタメンは同じですか?
A5:異なります。2軍メンバーはファームに所属する選手の全体を指すのに対し、スタメンはその日の試合で先発出場する選手です。調整、育成、故障からの復帰、対戦相手などによって起用は変わります。
2026年の阪神タイガース2軍は、若手の成長と一軍戦力の調整という二つの役割を担った。
野手では立石正広、井坪陽生、谷端将伍、百﨑蒼生、山田脩也らが実戦経験を積み、捕手では嶋村麟士朗が打撃面で存在感を示した。
投手では門別啓人の7勝、防御率2.66、津田淳哉の6セーブ、防御率1.99など、次のステップを期待させる成績が残った。
一方、チームとしての西地区最終順位は3位。個人の成長とチーム全体の勝敗は、分けて評価する必要がある。
【プロの結論】2軍選手を見るなら、この3つを確認したい1. 登録区分と背番号だけで判断しない
支配下選手か育成選手かは重要だが、それだけで実力や将来性は決まらない。実際の試合出場数と成績を確認することが大切だ。
2. 打率・防御率だけでなく、出場機会を見る
打者なら打席数、長打率、出塁率、守備機会。投手なら投球回、奪三振、四球、登板間隔も確認したい。少ない出場機会で残した数字と、年間を通じて積み上げた数字では評価の意味が違う。
3. 一軍昇格の公示とファーム成績を組み合わせる
ファームで結果を残していても、すぐに一軍へ昇格するとは限らない。反対に、一軍経験のある選手がファームで調整している場合もある。選手の状態とチーム事情を合わせて考えることが必要だ。
2026年11月5日時点では、2026年のファーム公式戦はすでに全日程を終えている。これからはシーズン成績に加えて、契約更改、登録変更、秋季キャンプ、翌シーズンに向けた編成にも注目したい。
阪神の次世代を担う選手を見つけるなら、一軍の試合結果だけでなく、ファームでの出場機会と成長の軌跡を追うことが、最も確かな楽しみ方の一つになる。