増嶋氏が現役を引退したのは2020年シーズン終了時。ジェフユナイテッド市原・千葉が同年12月20日に正式発表した。
引退を決断した背景には、出場機会の減少と、サッカー人生の終わり方について考える時間が増えたことがあった。Jリーグ公式サイトに掲載された本人のコメントでは、地元の千葉でファンやサポーターに見守られながら現役生活を終えられることへの思いも語られている。
17年間のプロ生活に区切りをつけた後、増嶋氏は選手として培った経験を次世代に伝える指導者の道へ進んだ。
2021~2022年:母校・市立船橋高校でコーチに就任最初の指導現場となったのは、自身が全国タイトルを獲得した市立船橋高校だった。
2021年から2022年まで同校のコーチを担当。選手として全国大会やプロの舞台を経験してきた増嶋氏にとって、育成年代の選手と向き合う機会となった。
自分がかつてプレーした環境で指導者としてのキャリアを始めたことは、その後の監督就任につながる重要な転換点だった。
2023~2026年6月:SHIBUYA CITY FC監督として2度の昇格2023年1月8日、増嶋氏はSHIBUYA CITY FCの監督に就任した。
SHIBUYA CITY FCは、渋谷からJリーグを目指すクラブで、地域活動や独自のイベント展開にも力を入れている。Jリーグで長くプレーした増嶋氏の経験を、クラブの競技面の強化に生かすことが期待された。
監督としての成績は、退任時のクラブ公式発表によると、82試合53勝14分15敗。2度の昇格を含む実績を残した。
小泉翔CEOは、2年連続の昇格をクラブの歴史に残る成果として振り返り、増嶋氏をクラブ史上最長歴の監督と評価している。
また、クラブの公式インタビュー企画では、増嶋氏のチームづくりや選手との向き合い方も紹介されていた。現役時代の知名度だけではなく、監督として結果を出したことが、次のキャリアにつながったと考えられる。
2025年12月:JFA Proライセンスを取得指導者としてのキャリアを考えるうえで、見逃せないのがJFA Proライセンスの取得だ。
SHIBUYA CITY FCは2025年12月12日、増嶋氏がJFA Proライセンスを取得したことを発表した。取得については同月8日の日本サッカー協会の技術委員会で報告されている。
JFA Proライセンスは、プロチームやプロ選手を指導するための資格であり、JFAの指導者ライセンス体系におけるプロフェッショナルレベルに位置付けられる。
JFAの説明では、Jリーグのトップチーム監督にはProライセンス、または同等以上の資格が必要とされている。取得には講習会や評価などを経る必要があり、単に現役時代の実績があるだけでは得られない資格だ。
2025年12月の契約更新発表時点で、増嶋氏はSHIBUYA CITY FCでの続投とProライセンス取得という2つの節目を迎えていた。その約半年後にジュビロ磐田への転身が決まったことは、指導者としてのキャリアが新しい段階に入ったことを示している。
【プロの結論】増嶋竜也のコーチ就任が持つ意味と今後の注目点

増嶋竜也氏のジュビロ磐田コーチ就任は、元Jリーガーが古巣や関係クラブに戻るという単純な話ではない。選手として17年間活動した人物が、育成年代の指導、地域クラブの監督、プロ指導者資格の取得を経て、Jリーグのトップチームに加わったというキャリアの発展である。
選手としての経験と監督としての実績を持つ強み増嶋氏の強みを考える際には、3つの経験を分けて見る必要がある。
1つ目は、ディフェンダーとしての豊富な実戦経験だ。FC東京、柏レイソル、ジェフユナイテッド市原・千葉など、複数のクラブでプレーし、J1優勝やカップ戦制覇も経験している。
2つ目は、SHIBUYA CITY FCで監督を務めた経験である。選手としてチームの一員になることと、監督として選手やスタッフをまとめることは別の仕事だ。82試合を指揮し、2度の昇格を経験したことは、指導者としての実績を示す具体的な材料になる。
3つ目は、JFA Proライセンスの取得だ。実戦経験と監督経験に加え、プロフェッショナルレベルの指導者資格を備えたことは、Jリーグのクラブで働くうえで大きな意味を持つ。
コーチと監督は何が違う?今回の就任について誤解しやすいのが、増嶋氏がジュビロ磐田の監督になったわけではないという点だ。
2026年11月2日更新のJリーグ公式スタッフ一覧では、秋葉忠宏氏が監督、藤本主税氏がヘッドコーチ、増嶋氏がコーチとして登録されている。
監督はチーム全体の指揮を担う立場であり、コーチは監督の方針のもとで選手の指導やトレーニング、試合に向けた準備などを支える役割を担う。実際の分担についてはクラブから個別の詳細が公表されていないため、増嶋氏が担当する具体的な戦術領域やポジション別指導を断定することはできない。
就任時に本人が秋葉監督を支える意向を示したことからも、まずはトップチームのコーチとしてチームの勝利と選手の成長に貢献する立場であることが分かる。
今後の評価要点はJリーグでの指導経験今後、増嶋氏の指導者としての評価を考える際には、次の3点が注目される。
- トップチームでの指導実績:Jリーグの選手たちに対して、これまでの経験や知識をどのように還元するか。
- チームへの貢献度:監督や他のコーチと連携し、トレーニングや試合準備にどのような成果をもたらすか。
- 将来のキャリア:コーチとして経験を積み、将来的に監督などの役職を目指す可能性があるか。
特に3点目は、JFA Proライセンスを取得したことと関係が深い。ただし、将来の監督就任が決まっているわけではない。現在の役職はあくまでトップチームコーチであり、今後のキャリアは実際の指導実績によって評価されることになる。
現役時代の実績だけで指導者としての能力を判断するのではなく、監督時代の成績と、Jリーグでの新たな仕事ぶりを分けて見ることが、増嶋氏の現在を正しく理解するポイントだ。
【増嶋竜也の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:増嶋竜也は2026年現在、どこのクラブに所属していますか?
A1:2026年11月現在、ジュビロ磐田のトップチームコーチです。2026年6月18日に就任が発表され、Jリーグ公式の2026年11月更新スタッフ一覧にも掲載されています。
Q2:増嶋竜也はいつ現役を引退しましたか?
A2:2020年シーズン終了時です。当時所属していたジェフユナイテッド市原・千葉が2020年12月20日に正式発表しました。その後、市立船橋高校でコーチを務め、指導者としてのキャリアをスタートさせています。
Q3:増嶋竜也のJリーグ通算成績は?
A3:SHIBUYA CITY FCの公式プロフィールによると、Jリーグ通算405試合出場26得点です。なお、市立船橋高校在籍時の天皇杯3試合出場2得点は、この数字に含まれていません。
Q4:増嶋竜也はJFA Proライセンスを持っていますか?
A4:はい。2025年度にJFA Proライセンスを取得しています。2025年12月12日にSHIBUYA CITY FCが公式発表しました。
Q5:増嶋竜也はSHIBUYA CITY FCをなぜ退任したのですか?
A5:ジュビロ磐田から新たな指導者としての挑戦の機会を得たためです。2026年6月18日、双方合意による契約解除が発表されました。本人はシーズン途中の退任に葛藤があったことも明かしています。
増嶋竜也氏は、市立船橋高校で全国3大タイトルを獲得し、2004年にFC東京でプロ入りした元ディフェンダーだ。ヴァンフォーレ甲府、京都サンガF.C.、柏レイソル、ベガルタ仙台、ジェフユナイテッド市原・千葉でプレーし、Jリーグ通算405試合出場26得点という実績を残した。
2020年の現役引退後は、市立船橋高校のコーチを経て、2023年にSHIBUYA CITY FCの監督に就任。2度の昇格を経験し、82試合53勝14分15敗という成績を残した。さらに2025年度にはJFA Proライセンスを取得している。
そして2026年6月18日、ジュビロ磐田のトップチームコーチに就任。11月現在もJリーグ公式のスタッフ一覧に名前が掲載されている。
増嶋氏のキャリアで注目すべきなのは、選手時代の知名度だけに頼らず、母校での指導、地域クラブでの監督経験、指導者資格の取得という段階を踏んでJリーグのトップチームにたどり着いたことだ。
今後はジュビロ磐田でどのような指導実績を積み上げるのか。そして、将来的に監督としてチームを率いる日が訪れるのか。選手として築いた17年間の経験を、指導者としてどこまで発展させることができるかが、次の注目ポイントとなる。
主な参照資料:ジュビロ磐田公式発表、SHIBUYA CITY FC公式発表、Jリーグ公式データサイト、日本サッカー協会(JFA)、ジェフユナイテッド市原・千葉公式発表、所属事務所公式プロフィール。