1-3というスコアだけでは、両チームの実力差や試合内容を十分に把握できない。注目したいのは、ボール保持率、シュート数、枠内シュート数の3項目だ。
チュニジア対オランダの主要スタッツ試合データ比較

チュニジア代表 vs オランダ代表
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チュニジア
オランダ
出典:Sky Sportsの試合統計。保持率は表示上の整数に丸めている。
オランダはボール保持率で約72%を記録。シュート数も20本で、チュニジアの10本に対して2倍だった。枠内シュートも7本対4本と上回っている。
特に注目すべきなのは、オランダがボールを持つ時間だけでなく、相手ゴール前への侵入回数でも優位に立っていた点だ。シュート数の差は、単なるパス回しの多さではなく、攻撃を最終局面まで進められたことを示している。
Opta Analystによる試合分析では、オランダのボール保持率は71.7%。Optaが記録を追跡している1966年以降のオランダ代表のワールドカップにおける試合で、過去最高の数字となった。これは、この試合でオランダがどれほど主導権を握っていたかを物語る記録だ。
カンザスシティ・スタジアムの試合環境試合会場はカンザスシティ・スタジアム(アローヘッド・スタジアム)。観客数は68,391人だった。
試合当日は曇りから雨へと天候が変化し、気温は23度、湿度は83%。雷雨に関する警報も出ていたが、キックオフの延期はなく、予定どおり試合が行われた。
審判はメキシコのカティア・イトセル・ガルシア。両チームに退場者はなく、警告も記録されていない。
【試合分析・戦評】オランダが勝利した3つの理由
チュニジア代表対オランダ代表の勝敗を分けたのは、序盤の守備対応、セットプレーの精度、中盤のボール支配という3つの要素だった。
1.開始7分の連続失点でゲームプランが崩れたチュニジアは5-4-1を採用し、後方の人数を確保することでオランダの攻撃を抑えようとした。しかし、開始3分のオウンゴールで計画が狂い、続く7分にもセットプレーから失点した。
2点を追う展開になると、チュニジアは守備を維持するだけでは勝ち点を獲得できない。前線へ人数を送り、攻撃に参加する選手を増やす必要が生まれる。
その結果、守備陣と中盤の距離が広がりやすくなり、オランダにボールを動かす余裕を与えた。序盤の2失点はスコア以上に、試合全体の戦い方を左右した。
2.セットプレーの攻防でオランダが上回ったこの試合の4得点は、いずれもクロスやセットプレーが重要な起点になっている。
ブロビーの得点はファン・ダイクのヘディングによる折り返しから生まれ、マストゥーリの得点もメイブリのコーナーキックが起点だった。ファン・ヘッケの3点目もラインデルスのコーナーキックから生まれている。
チュニジアもセットプレーで一矢報いたものの、オランダは同じ武器を使って再びリードを広げた。特にファン・ダイクとファン・ヘッケという高さと競り合いに強い選手を生かした攻撃は、チュニジアにとって対応が難しかった。
Opta Analystも、チュニジアが今大会のセットプレーから失点を重ねた点を指摘している。守備の人数を増やしても、ボールの軌道やマークの受け渡しが不十分なら、失点を防ぐことは難しい。
3.中盤の主導権を握ったオランダフレンキー・デ・ヨング、ラインデルス、フラーフェンベルフの中盤は、パス交換とポジション調整によって試合のテンポを作った。
チュニジアはメイブリを中心に反撃の糸口を探ったが、オランダの中盤を継続的に押し下げることはできなかった。ボールを奪っても攻撃につなげるまでに時間がかかり、相手の守備陣形が整う場面も多かった。
後半にオランダが主力を交代させられたことも、序盤から築いた優位性を示している。72分にはデ・ヨング、マレン、ラインデルスを下げ、77分にはブロビー、84分にはガクポも交代。決勝トーナメントを見据えた選手起用が可能な試合展開だった。
4.チュニジアの反撃には光る部分もあった敗れたチュニジアにも評価すべき点はある。特にマストゥーリとメイブリの連係は、後半の得点につながった。
マストゥーリは前線でボールを受けるだけでなく、左サイドから攻撃を始める場面も見せた。メイブリもセットプレーで精度の高いボールを供給し、チームに得点の可能性をもたらした。
ただし、1点を返した後に守備の安定を保てず、わずか8分で追加失点したことは大きな課題だった。攻撃面で見せた可能性を、90分を通した試合運びに結びつけられなかった。
【グループFの最終成績】オランダは首位突破、チュニジアは勝ち点0で敗退
チュニジア対オランダは、両チームにとってグループFの最終戦だった。オランダは日本との首位争いを制する必要があり、チュニジアは大会最後の試合で結果を残すことが求められていた。
最終節の日本対スウェーデンは1-1の引き分け。オランダはチュニジアに勝利したことで、グループFを首位で終えた。
グループF最終順位- 1位:オランダ — 3試合、2勝1分け、勝ち点7
- 2位:日本 — 3試合、1勝2分け、勝ち点5
- 3位:スウェーデン — 3試合、1勝1分け1敗、勝ち点4
- 4位:チュニジア — 3試合、3敗、勝ち点0
オランダはグループステージで10得点を記録。2014年大会に並ぶ、同国のワールドカップ・グループステージ最多得点記録を達成した。一方のチュニジアは3試合で12失点。2010年大会の北朝鮮以来となる、グループステージで12失点を喫したチームとなった。
チュニジアは大会前の予選を無失点で突破し、守備力を評価されていた。しかし、本大会ではスウェーデンに1-5、日本に0-4、オランダに1-3と敗れた。開幕戦の大敗後にはサブリ・ラモウシ監督が退任し、エルヴェ・ルナール監督が後任に就いたが、チームを立て直すには時間が足りなかった。
対照的にオランダは、攻撃陣の得点力と中盤の安定感を生かして決勝トーナメントへ進んだ。チュニジア戦は単なる1勝ではなく、グループ首位を確定させる重要な勝利だった。
【プロの結論】1-3のスコア以上に大きかった両チームの完成度の差
今回の対戦を分析すると、オランダが勝利した最大の理由は、個々の選手の能力だけではなく、チーム全体として攻撃と守備を連動させられていたことにある。
オランダは4-3-3の中盤でボールを動かし、サイド攻撃とセットプレーを効果的に組み合わせた。ファン・ダイクが空中戦で起点となり、ブロビーがゴール前で仕事をし、ラインデルスが決定的なボールを供給する。選手それぞれの役割が明確だった。
一方、チュニジアは5-4-1で守備を固めたものの、序盤の失点によって攻守のバランスを崩した。マストゥーリとメイブリが反撃の可能性を見せたことは収穫だが、試合を通して相手の攻撃を制限することはできなかった。
この試合から読み取れる要点は、守備的なフォーメーションを採用するだけでは強豪国の攻撃を止められないということだ。重要なのは、相手のクロスへの対応、セットプレーのマーク、ボールを奪った後の攻撃への移行を一体化させることにある。
オランダにとってはグループ首位突破を決めた一戦。チュニジアにとっては、予選で発揮した守備力を本大会で再現できなかったことが大きな課題として残る試合だった。
【チュニジア代表対オランダ代表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:チュニジア代表対オランダ代表の試合結果は?
A1:2026年6月26日(日本時間)に行われたワールドカップ・グループF第3戦は、チュニジア代表1-3オランダ代表で終了しました。オランダが勝利し、グループ首位で決勝トーナメントへ進みました。
Q2:チュニジア対オランダの得点者と得点時間は?
A2:3分にエリース・スキリのオウンゴール、7分にブライアン・ブロビー、54分にハゼム・マストゥーリ、62分にヤン・ポール・ファン・ヘッケが得点しました。
Q3:両チームのフォーメーションは?
A3:チュニジアは5-4-1、オランダは4-3-3でした。チュニジアは守備の人数を確保する布陣、オランダは中盤のボール支配と前線の攻撃力を生かす布陣を採用しました。
Q4:試合会場と観客数は?
A4:米国ミズーリ州カンザスシティのカンザスシティ・スタジアム(アローヘッド・スタジアム)で開催され、観客数は68,391人でした。
Q5:チュニジアとオランダのグループF最終順位は?
A5:オランダが勝ち点7で1位、チュニジアは勝ち点0で4位でした。日本が勝ち点5で2位、スウェーデンが勝ち点4で3位となりました。
Q6:試合の勝敗を分けた最大の要点は?
A6:序盤7分までに2失点したことと、オランダのセットプレーへの対応が大きなポイントです。オランダは約72%のボール保持率と20本のシュートで試合を支配しました。
2026年FIFAワールドカップ・グループF第3戦は、オランダがチュニジアを3-1で下した。スキリのオウンゴールとブロビーの得点で序盤にリードを築き、マストゥーリの反撃後にはファン・ヘッケが追加点を挙げた。
チュニジアはメイブリとマストゥーリの連係で大会初ゴールを記録したものの、序盤の守備の乱れとセットプレーへの対応が最後まで響いた。
オランダは勝ち点7でグループF首位を確定。チュニジアは3連敗、勝ち点0という厳しい結果で大会を終えた。
この試合の本質は、序盤の得点力だけではない。ボール支配、セットプレー、選手交代まで含めた試合全体の管理能力で、オランダがチュニジアを上回ったことにある。1-3という結果は、両チームの大会における完成度の差を象徴するものとなった。
主な参照資料:FIFA公式大会情報、アジアサッカー連盟(AFC)、アフリカサッカー連盟(CAF)、ドイツサッカー連盟(DFB)、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、Reuters、Opta Analyst、Sky Sports。