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【2026年度の賞与とベースアップ】日銀職員の給与はどう決まる?

黒金 剛 黒金 剛 • 更新: • 公開: • 読了約 14 分
目次

日本銀行の年収を左右する大きな要素が、毎月の定例給与と年2回の賞与だ。

2026年9月29日に公表された「日本銀行職員の給与等の概要について」では、2026年度の給与改定について具体的な数字が示されている。

2026年度のベースアップは3.4%

2026年度は、管理職および企画専門職員を除く職員の定例給与が、前年度比で3.4%引き上げられた。

再雇用者であるエキスパート職員の時間給についても、同じく3.4%の改定が実施されている。

直近3年度のベースアップを見ると、次のようになる。

年度 定例給与の改定率
2024年度 +3.1%
2025年度 +3.2%
2026年度 +3.4%

3年連続で3%を超える改定が続いている。

これは、物価上昇への対応だけでなく、金融・経済・ITなどの専門人材を確保するための処遇改善という側面も持つ。

日本銀行の賞与は年2回、何か月分?

賞与は、毎年5月と11月に支給される。

2026年度の賞与支給率は、ベースアップによる増加分を除いて、次のとおり設定された。

- 管理職等以外:1回当たり2.445か月分
- 管理職等:1回当たり3.452か月分

つまり、一般職員の場合、2回分を単純合計すると年間4.89か月相当となる。管理職等は年間6.904か月相当だ。

ただし、実際の賞与額は勤務成績や給与額などによって異なる。全職員が同じ金額を受け取るわけではない。

賞与の支給率も年々改善している。

年度 一般職員の1回当たり支給率
2024年度 2.295か月
2025年度 2.403か月
2026年度 2.445か月

日銀の給与制度では、賞与の査定部分について半期ごとの勤務成績を反映する仕組みが設けられている。管理職については通年の勤務成績を評価する。

したがって、日銀の年収を推計する際に初任給や基本給だけを見ても、実際の待遇は十分に把握できない。賞与と評価制度を含めて考える必要がある。

【日本銀行総裁の年収は3,781万円】副総裁・理事の報酬も比較

日本銀行年収

日本銀行の職員給与と並んで注目されるのが、総裁や副総裁などの役員報酬だ。

2026年1月27日、日本銀行は2025年度の役員給与の改定を公表した。

植田和男総裁の年収は、前年度比4.8%増の3,781万4,000円となった。

共同通信やロイターなどの報道でも取り上げられたこの改定は、特別職国家公務員の給与改定状況などを踏まえたものだ。

2025年度の役員別年収

役員の年間報酬は、次の水準となっている。

役職 2025年度の年収
総裁・植田和男 3,781万4,000円
副総裁 3,001万2,000円
審議委員 2,880万円
理事 2,333万4,000円
監事 1,728万4,000円

総裁の年収はどのように決まる?

総裁の報酬は、毎月支給される役員俸給と、6月・12月に支給される役員手当から構成される。

2025年度の総裁報酬の内訳は次のとおりだ。

- 報酬・給与:2,457万円
- 賞与:1,324万4,000円
- 年間報酬総額:3,781万4,000円

役員給与は日本銀行法第31条に基づき、特別職国家公務員の給与などを考慮して決定される。

また、総裁の給与は特別職国家公務員の最高給与を上回らないように設定することが基本方針となっている。

重要なのは、役員報酬には職員の賞与のような業績連動の仕組みが導入されていない点だ。

つまり、金融政策の成果や銀行の収益に応じて、総裁の報酬が直接増減する制度ではない。

役員の報酬は、公共性の高い中央銀行の経営責任と、国家公務員の給与水準との均衡を考慮して決められている。

【国家公務員・民間銀行との年収比較】日銀の給与は高い?

日本銀行の平均年収910万9,000円は、国家公務員や民間金融機関と比較するとどの程度の水準なのか。

この比較では、単純な金額だけでなく、平均年齢や集計対象、賞与の扱いも確認したい。

国家公務員の平均年収との比較

2026年の人事院勧告によると、行政職俸給表(一)適用職員の平均年間給与は、勧告後で739万円となっている。

これに対して、日本銀行の2025年度常勤職員平均は910万9,000円だ。

金額だけを比較すると、日銀のほうが約171万9,000円高い。

ただし、両者は集計年度や職員構成が異なる。日銀の平均年齢は43.7歳、国家公務員の行政職(一)は41.7歳であり、職務内容も同一ではない。

したがって、この差をそのまま同じ仕事に対する給与格差と解釈することはできない。

また、そもそも日本銀行の職員は一般職の国家公務員ではない。日本銀行法によって公務に従事する職員とみなされる特殊な立場にある。

民間金融機関との比較

民間銀行との比較では、2026年8月に東京商工リサーチが発表した2025年度の国内銀行98行の平均年間給与調査が参考になる。

調査結果は次のとおりだ。

- 国内銀行98行の平均:684万円
- 中央値:675万5,000円
- 大手行平均:854万4,000円
- 地方銀行平均:698万9,000円
- 第二地方銀行平均:613万5,000円

日銀の平均年収910万9,000円は、国内銀行全体の平均を大きく上回っている。

一方、大手金融機関と比べると、日銀の給与水準は必ずしも突出しているわけではない。

2025年度の平均年間給与上位行は次のとおりだった。

- 三井住友銀行:933万8,000円
- あおぞら銀行:927万7,000円
- 三菱UFJ銀行:914万3,000円

日銀の910万9,000円は、こうした大手銀行の上位水準に近い。

比較から分かる日本銀行の待遇水準

国家公務員、民間銀行、日本銀行の給与水準を整理すると、次のようになる。


年間給与の比較
単位:万円。集計年度・対象・算定方法はそれぞれ異なる。
{#each [{name:"日本銀行(2025年度)",value:910.9},{name:"国内銀行98行平均(2025年度)",value:684},{name:"国家公務員・行政職(一)(2026年勧告後)",value:739}] as item}


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{item.value.toLocaleString("ja-JP")}




100}%`}/>


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日本銀行の平均年収は、比較した3区分の中で最も高い。

この比較から見えてくるのは、日本銀行が一般的な国家公務員の給与体系とは異なり、主要民間金融機関や大企業との人材獲得競争を意識した給与制度を採用していることだ。

もっとも、銀行業界の上位企業には日銀を上回る給与水準の企業も存在する。日銀だけが金融業界で突出して高給というわけではない。

【退職手当・企業年金・福利厚生】生涯年収で見る日銀の待遇

日本銀行の待遇を考える際には、現役時代の給与だけでなく、退職後の給付も重要だ。

日本銀行が公表している職員給与の支給基準では、給与とは別に退職手当の制度が設けられている。

退職手当は一時金と年金の2つで構成

2024年4月から実施された給与支給基準の変更資料では、職員の退職手当は次の2つから構成される。

1. 退職一時金
2. 年金給付

年金については、退職手当計算基準俸給に、標準年齢や資格などに応じた支給割合を乗じて年額を算出する仕組みだ。

公表された基準では、年金は原則として退職の翌月から終身支給される。ただし、60歳の定年年齢に達する月まで支給を停止する場合がある。

この制度は、現役時代の給与だけでなく、退職後の生活設計にも関係する。

なお、退職一時金や年金について、すべての職員に共通する具体的な受給額が公表されているわけではない。勤続期間や給与、資格などによって個人差が生じる。

日本銀行職員は国家公務員なのか?

ここには誤解されやすいポイントがある。

日本銀行は日本銀行法に基づいて設立された認可法人であり、職員は一般職の国家公務員ではない。

日本銀行の公式Q&Aでも、役職員は公務員ではないと説明されている。

一方、日本銀行法第30条では、役職員を法令により公務に従事する職員とみなすと規定している。

そのため、刑法上の収賄罪など、公務員を対象とする規定が適用される。

給与についても、国家公務員とまったく同じ法律や俸給表が直接適用されるわけではない。日本銀行法第31条に基づいて、日銀独自の給与・報酬・退職手当の支給基準を定め、財務大臣に届け出て公表する仕組みとなっている。

日本銀行の給与制度が高水準を維持する理由

日銀の給与制度には、人材確保という明確な目的がある。

2025年度の公表資料では、給与改定に際して主要民間金融機関や主要民間企業の年収動向を調査し、平均的な給与改定率を主な判断材料にしていると説明されている。

中央銀行の仕事には、金融政策、金融市場分析、金融機関のモニタリング、決済システム、統計、情報技術、国際金融など、多様な専門分野がある。

こうした領域で専門知識や実務経験を持つ人材を確保するには、民間金融機関や大企業と競争できる処遇が必要になる。

そのため、国家公務員の給与水準だけを基準にするのではなく、民間の待遇も踏まえて給与を決定している。

日銀の平均年収が900万円を超える背景には、こうした組織の役割と人材確保の仕組みがある。

【日本銀行の年収に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:日本銀行職員の平均年収は2026年現在いくらですか?

A1:最新の2025年度公表データでは、常勤職員の平均年間給与は910万9,000円です。平均年齢は43.7歳で、2024年度の869万2,000円から約4.8%増加しています。

Q2:日本銀行の新卒初任給はいくらですか?

A2:2026年度の大学卒業者は、総合職29万4,000円、特定職28万4,000円、一般職27万4,000円です。大学院修了者は総合職31万円、特定職29万6,000円、一般職27万8,000円となっています。

Q3:日本銀行総裁の年収はいくらですか?

A3:2025年度の植田和男総裁の年間報酬は3,781万4,000円です。副総裁は3,001万2,000円、理事は2,333万4,000円となっています。

Q4:日本銀行職員のボーナスは何か月分ですか?

A4:2026年度の賞与支給率は、管理職等以外で1回当たり2.445か月分です。5月と11月の年2回支給されます。管理職等は1回当たり3.452か月分です。

Q5:日本銀行職員は国家公務員より高給ですか?

A5:2025年度の日銀常勤職員平均は910万9,000円で、2026年の人事院勧告後の国家公務員・行政職(一)の平均年間給与739万円を上回っています。ただし、平均年齢や職務、集計年度が異なるため、単純比較には注意が必要です。

Q6:日本銀行では2028年度から給与制度が変わりますか?

A6:2028年度に事務職員の採用コースを総合コース・特定コースに再編し、専門人材向けのプロフェッショナル職員を設ける計画が公表されています。給与体系や具体的な勤務条件については、今後の制度整備が焦点になります。

2026年11月時点で、日本銀行の常勤職員の平均年収は910万9,000円。2025年度は前年から約4.8%増加し、2026年度も管理職等以外の職員に3.4%のベースアップが実施された。

2026年度の大学卒初任給は、総合職29万4,000円、特定職28万4,000円、一般職27万4,000円。役員報酬では植田和男総裁の年収が3,781万4,000円となっている。

今回のデータから押さえておきたい要点は3つある。

- 給与水準: 常勤職員の平均年収は900万円を超え、国内銀行全体の平均を大きく上回る。
- 給与制度: 民間金融機関や大企業の処遇を参考にしながら、能力・職責・勤務成績を反映する仕組みを採用している。
- 将来の変化: 2028年度には採用コースの再編と専門人材の受け入れ制度が予定されている。

日本銀行への就職を考える場合、平均年収だけで判断するのではなく、希望する職種、転勤範囲、専門性を伸ばせる環境、退職後の給付まで含めて検討することが大切だ。

高い給与水準に加えて、中央銀行ならではの専門的な業務に携われることが、日本銀行で働く大きな特徴となっている。

主な参照資料:日本銀行「日本銀行の役職員の報酬、給与等について(令和7年度)」「日本銀行職員の給与等の概要について」(2026年9月29日)「日本銀行事務職員の初任給の改訂について」(2026年3月26日)、人事院「令和8年人事院勧告」、東京商工リサーチ「2025年度 国内銀行98行 平均年間給与調査」。*

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