突然、何の前触れもなく鼻血が出ると、「どこか悪い病気なのでは?」「高血圧や血液の異常が関係しているのでは?」と不安になる人も少なくありません。大人の突然の鼻血は、鼻の粘膜の乾燥や小さな傷、アレルギー性鼻炎など身近な原因で起こることが多い一方、高血圧、抗凝固薬などの服薬、血液疾患、まれに鼻腔内の腫瘍が関係している場合もあります。
特に注意したいのは、鼻血を何度も繰り返す場合、片側からの出血が続く場合、十分に圧迫しても止まらない場合です。2026年の医療情報を踏まえ、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会や大学病院、海外の救急医療機関が示す知見をもとに、突然の鼻血の原因、正しい圧迫止血、危険な症状、耳鼻咽喉科や救急外来を受診するタイミングを整理します。
【大人の突然の鼻血】最も多い原因は鼻粘膜の傷と乾燥

大人の鼻血は、必ずしも全身の病気が原因とは限りません。実際には、鼻の中の細い血管が傷つくことで起こる局所的な出血が多くを占めます。
順天堂大学医学部附属順天堂医院の鼻出血に関する解説では、鼻血の原因として、鼻をほじる行為などによる粘膜の傷や、鼻をかむ、くしゃみをする、咳をするといった刺激が挙げられています。同院の説明では、機械的刺激による粘膜の傷などが原因となるケースは全体の70〜80%です。
1.鼻の入り口にあるキーゼルバッハ部位からの出血鼻血の発生場所として代表的なのが、鼻中隔の前方にある「キーゼルバッハ部位」です。左右の鼻の穴を隔てる壁の、入り口から約1cm入ったところに位置しています。
この部分には複数の血管が集まり、粘膜の表面に近い位置を走っています。そのため、少し強く鼻をかんだり、乾燥した粘膜に刺激が加わったりするだけでも出血することがあります。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の関連解説では、鼻血の約7〜8割がキーゼルバッハ部位からの出血とされています。大人でもこの部分からの出血は珍しくありません。
2.乾燥や気温の変化による粘膜のダメージ空気が乾燥すると、鼻の粘膜を保護する水分が失われ、表面が傷つきやすくなります。特に暖房を使用する冬場や、乾燥した室内で長時間過ごす場合には注意が必要です。
鼻の中にかさぶたができると、気になって触ったり、かさぶたを取ったりした際に再出血することもあります。鼻血が止まった直後の粘膜は完全に回復していないため、同じ場所から何度も出血する悪循環に陥りやすいのです。
3.アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎花粉症やハウスダストによるアレルギー性鼻炎では、鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻水が繰り返されます。鼻をこする、頻繁に鼻をかむといった行為が粘膜への刺激となり、出血につながります。
副鼻腔炎などの炎症性疾患でも、鼻の粘膜が腫れたり、炎症によって傷つきやすくなったりすることがあります。鼻水や鼻づまりと一緒に鼻血が繰り返される場合は、鼻炎や副鼻腔炎の有無も確認したいところです。
4.鼻血が片側だけ出るのはなぜ?鼻血が右側または左側だけから出ること自体は、珍しい現象ではありません。出血している血管が片側の鼻腔にあるため、片方の鼻の穴からだけ血液が流れるケースは一般的です。
例えば、片側の鼻中隔にできた小さな傷や、局所的な乾燥、鼻炎による炎症でも片側だけの鼻血が起こります。したがって、片側から出たという理由だけで、直ちに悪性腫瘍を疑う必要はありません。
ただし、同じ側から何度も鼻血が出る場合は事情が異なります。特に、片側だけの鼻づまりが長く続く、血の混じった鼻水が出る、嗅覚が低下する、顔に痛みやしびれがあるといった症状を伴う場合は、鼻腔や副鼻腔の病変を調べる必要があります。
【見逃せない病気】高血圧・抗凝固薬・白血病・鼻腔腫瘍との関係
鼻の粘膜に原因が見当たらない場合や、出血が頻繁に起こる場合には、全身の状態や服用している薬にも目を向ける必要があります。
特に大人の場合、血液を固まりにくくする薬や血小板の異常、肝臓の病気などが出血の長期化に関係することがあります。
高血圧と鼻血の関係は?血圧が高いと必ず出血するのか高血圧は、鼻血が出たときに確認したい健康上の要素の一つです。ただし、「血圧が高いから鼻血が出た」と単純に決めつけることはできません。
MSDマニュアル家庭版では、高血圧そのものが鼻出血を直接引き起こす可能性は低い一方、高血圧のある人では出血が予想以上に長引くことがあると説明されています。
鼻血が出ると驚きや不安によって交感神経が刺激され、一時的に血圧が上昇することもあります。そのため、鼻血が出た直後に測定した血圧だけで、出血の原因を高血圧と判断するのは適切ではありません。
普段から血圧が高い人は、出血が落ち着いてから安静にして血圧を確認し、日常的な数値も含めて医師に相談しましょう。血圧が著しく高く、胸痛、息苦しさ、激しい頭痛、神経症状などを伴う場合は、鼻血とは別に緊急の評価が必要です。
抗凝固薬・抗血小板薬を服用している場合心房細動、脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症などの治療や再発予防で、血液を固まりにくくする薬を服用している人は、鼻血が長引く可能性があります。
代表的な薬には、次のようなものがあります。
- ワルファリン:血液凝固に関係するビタミンKの働きを抑える抗凝固薬。
- アピキサバン:血液凝固因子Xaの働きを阻害する薬。
- リバーロキサバン:血液凝固因子Xaを阻害する薬。
- クロピドグレル:血小板の働きを抑える抗血小板薬。
- アスピリン:血小板の凝集を抑える作用がある薬。
これらの薬を服用していると、通常なら短時間で止まるような小さな出血でも、止血に時間がかかる場合があります。
2024年に公表された米国心臓協会と米国赤十字社の応急手当ガイドラインでも、抗凝固薬や抗血小板薬を使用している人は、鼻血について医療専門家に相談することが妥当とされています。
注意したいのは、鼻血が出たからといって自己判断で薬を中断しないことです。薬を止めると、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症リスクが高まる可能性があります。出血の程度と服薬状況を医師に伝え、継続・休薬・変更について指示を受けてください。
鼻血と白血病・血液疾患の関係鼻血を何度も繰り返す場合、白血病などの血液疾患が関係している可能性もあります。
白血病では、異常な血液細胞が増殖することで正常な血液細胞が十分に作られなくなり、血小板が減少することがあります。血小板は出血した部分に集まり、血液を固めるために重要な役割を担っています。
血小板が少なくなると、鼻血だけでなく、歯ぐきからの出血、皮膚にできる小さな赤紫色の点状出血、身に覚えのない青あざなどが現れることがあります。
特に注意したい症状は次のとおりです。
- 鼻血や歯ぐきからの出血を繰り返す。
- ぶつけた覚えがないのに青あざが増える。
- 皮膚に赤紫色の小さな点が多数現れる。
- 以前より疲れやすく、強い倦怠感が続く。
- 発熱や感染症を繰り返す。
- 顔色が悪く、息切れや動悸が起こりやすい。
これらは白血病だけに特有の症状ではなく、ほかの病気でも起こります。しかし、鼻血と複数の症状が重なっている場合には、血液検査を受けることが大切です。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の鼻出血に関する解説でも、激しい鼻血を繰り返す場合や、歯ぐきからの出血、軽い刺激によるあざがある場合には、血液疾患などを考慮した詳しい検査が必要とされています。
鼻腔腫瘍による鼻血の見分け方鼻腔や副鼻腔にできた腫瘍も、鼻血の原因になることがあります。腫瘍には良性と悪性があり、鼻血が出たというだけでがんと判断することはできません。
注意したいのは、同じ側から繰り返し出血することに加えて、鼻づまりや血の混じった鼻水が続くケースです。
鼻腔・副鼻腔がんの症状として、英国の国民保健サービス(NHS)は、片側だけの持続的な鼻づまり、鼻血、嗅覚の低下、血液の混じった鼻水などを挙げています。病変が進行すると、顔の痛みやしびれ、視力の異常などが現れる場合もあります。
ただし、これらの症状は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などでも起こります。症状が続く場合は耳鼻咽喉科で鼻の中を確認してもらうことが、適切な判断につながります。
【症状別に比較】普通の鼻血と危険な後鼻出血の違い
鼻血には、出血する場所によって前鼻出血と後鼻出血があります。この違いを理解すると、どのような鼻血に注意すべきか判断しやすくなります。
前鼻出血は鼻の入り口付近から起こる一般的な鼻血の多くは、鼻の入り口に近い鼻中隔前方から起こります。キーゼルバッハ部位の細い血管が傷つき、片方の鼻の穴から血液が流れ出るのが典型的なパターンです。
小鼻を正しく圧迫することで止血できることが多く、出血量が多く見えても、必ずしも重い病気とは限りません。
後鼻出血は鼻の奥から出血する状態後鼻出血は、鼻腔の奥にある血管から出血する状態です。前方からの鼻血より頻度は低いものの、太い血管が関係する場合があり、出血量が多くなったり、止血が難しくなったりすることがあります。
特徴的なのは、鼻の穴から血液が出るだけでなく、口やのどに血液が流れ込むことです。前かがみになっていても、のどの方へ血液が大量に流れ続ける場合は注意が必要です。
MSDマニュアルでは、後鼻出血は動脈硬化や出血性疾患のある人、抗凝固薬を服用している人、鼻や副鼻腔の手術歴がある人などに起こりやすいと説明されています。
鼻血の種類と原因・注意すべき症状の比較| 種類・原因 | 主な特徴 | 受診時の判断材料 |
|---|---|---|
| 前鼻出血・キーゼルバッハ部位 | 鼻の入り口付近から出血。片側だけのことも多い | 圧迫止血で改善するか確認する |
| 乾燥・粘膜の傷 | 鼻をかんだ後や起床時などに出血する | 乾燥対策と鼻への刺激を避ける |
| 後鼻出血 | 鼻の奥から出血し、のどに血液が流れ込む | 出血量が多い場合や止まらない場合は救急受診 |
| 抗凝固薬の影響 | 出血が長引く、再出血しやすい | 服薬内容を医師に伝える |
| 血液疾患・血小板減少 | 鼻血のほか、歯ぐきの出血や青あざを伴うことがある | 血算や血液凝固検査などを検討 |
| 鼻腔・副鼻腔の腫瘍 | 片側の鼻づまり、反復性鼻血、血の混じった鼻水など | 耳鼻咽喉科で内視鏡検査や画像検査を検討 |
この比較で重要なのは、出血した側だけではなく、出血の勢い、止まりやすさ、繰り返す頻度、ほかの症状を合わせて判断することです。
片側だけの鼻血は一般的な前鼻出血でも起こりますが、片側の鼻づまりや血性鼻水を伴って長く続く場合は、別の原因を調べる必要があります。
【正しい鼻血の止め方】10〜15分の圧迫止血が基本
突然鼻血が出たとき、最も大切なのは慌てずに正しい方法で圧迫することです。間違った止め方をすると、血液がのどに流れ込んだり、出血している部分を十分に圧迫できなかったりすることがあります。
鼻血が出たときの正しい応急処置5ステップステップ1:椅子に座って少し前かがみになる
まず椅子などに座り、頭を軽く前に傾けます。顔を上に向けたり、あお向けに寝たりするのは避けてください。血液がのどへ流れ込むのを防ぐためです。
ステップ2:小鼻の柔らかい部分を両側からつまむ
親指と人差し指を使い、鼻の骨ではなく、その下にある柔らかい小鼻の部分を左右からしっかり押さえます。鼻中隔前方の血管を圧迫することが目的です。
ステップ3:10〜15分間、途中で指を離さない
時計を確認しながら、10〜15分間連続して圧迫します。途中で何度も指を離して確認すると、できかけた血の塊が剥がれて再出血する可能性があります。
2024年の米国心臓協会・米国赤十字社の応急手当ガイドラインでも、少し前かがみになり、鼻を10〜15分間圧迫する方法が推奨されています。
ステップ4:口に流れた血液は飲み込まずに吐き出す
血液がのどや口に流れてきた場合は、飲み込まずに吐き出してください。血液を飲み込むと、胃が刺激されて吐き気や嘔吐につながることがあります。
ステップ5:止まった後は鼻を刺激しない
止血できた後も、すぐに鼻を強くかんだり、鼻の中のかさぶたを取ったりしないでください。出血した部分が再び傷つくおそれがあります。
やってはいけない鼻血の止め方- 上を向く:血液がのどに流れ込み、嘔吐や誤嚥の原因になる。
- 首の後ろをたたく:止血効果は期待できず、医学的に推奨されない。
- 鼻の付け根だけをつまむ:出血部位である小鼻の柔らかい部分を十分に圧迫できない。
- ティッシュを奥まで詰める:粘膜を傷つけたり、取り出す際に再出血したりするおそれがある。
- 何度も鼻を確認する:圧迫を中断すると、血液が固まる過程を妨げることがある。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の解説でも、上を向く方法や首の後ろをたたく方法は適切ではないとされています。また、ティッシュや脱脂綿を鼻の奥に詰める方法も、粘膜を傷つける可能性があるため推奨されていません。
15分圧迫しても止まらないときは?正しい方法で15分間圧迫しても出血が続く場合は、医療機関での処置が必要になる可能性があります。特に、出血量が多い、血液がのどへ大量に流れる、めまいやふらつきがある場合は、時間を待たずに救急受診してください。
出血が軽度でも、抗凝固薬を服用している人や血液疾患がある人は、早めに医療機関へ相談が必要です。
【危険な鼻血と受診目安】耳鼻咽喉科・救急外来に行くべき症状
鼻血は自宅で止まることも多い症状ですが、出血の程度や全身状態によっては緊急の治療が必要です。受診先を判断するときは、鼻血の量だけでなく、止血できるか、意識や呼吸に異常がないかも確認してください。
すぐに救急受診・救急要請を検討する症状- 大量の血液が勢いよく流れ続けている。
- 15分程度の適切な圧迫をしても止まらない。
- 立ちくらみ、強いめまい、冷や汗、顔面蒼白、意識が遠のく感覚がある。
- 血液が大量にのどへ流れ込み、吐き出し続けなければならない。
- 息苦しさや呼吸困難がある。
- 頭部や顔面を強く打った後に鼻血が出た。
- 鼻血に加えて、激しい頭痛、意識障害、視覚異常などがある。
大量出血や意識障害、呼吸困難がある場合は、自分で運転して病院へ向かわず、119番で救急車を呼ぶことを検討してください。頭部外傷後の鼻血も、頭蓋骨や顔面骨の損傷が関係している可能性があるため、慎重な対応が必要です。
早めに耳鼻咽喉科を受診したい症状- 鼻血を何度も繰り返している。
- いつも同じ側から出血する。
- 片側の鼻づまりが長期間続いている。
- 鼻水に血が混じる状態が続いている。
- 鼻血と一緒に顔の痛みや嗅覚低下がある。
- 鼻の中にできものや腫れがある。
- 適切な圧迫をしても出血が止まりにくい。
出血が止まっていても、原因不明の鼻血を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科で調べてもらいましょう。出血源が鼻の奥にある場合や、鼻腔内に病変がある場合は、外から見ただけでは原因が分からないことがあります。
耳鼻咽喉科ではどのような検査をする?診察では、いつから鼻血が出ているか、何回繰り返しているか、どちらの鼻から出るか、服用中の薬は何かなどを確認します。
必要に応じて、次のような検査が行われます。
- 鼻鏡検査:鼻の入り口付近を観察し、出血している場所を確認する。
- 鼻内視鏡検査:細いカメラを鼻に入れ、奥の出血源や腫瘍性病変を調べる。
- 血液検査:貧血の有無や血小板数、血液凝固機能などを確認する。
- CT・MRI:腫瘍や副鼻腔の病変などが疑われる場合に画像で調べる。
順天堂医院の解説でも、ファイバースコープによる鼻腔内の確認や、必要に応じたCT・MRI検査が紹介されています。
医療機関で行われる主な止血治療家庭での圧迫止血で改善しない場合は、出血部位や出血量に応じて治療方法が選択されます。
- 薬剤による止血:出血部位に適切な薬剤を使用して血管を収縮させる。
- 電気凝固・化学的焼灼:出血点が確認できる場合に、血管を処置して止血する。
- 鼻腔内のタンポン・ガーゼ:鼻の中を圧迫し、出血を抑える。
- 手術による止血:出血が激しい場合や、ほかの方法で止血できない場合に検討する。
特に後鼻出血では、鼻の奥にある血管が出血源となっているため、専門的な止血処置や入院管理が必要になることもあります。
【鼻血を繰り返さないために】日常生活でできる予防と注意点
一度鼻血が止まっても、粘膜が十分に回復する前に刺激を与えると、同じ場所から再び出血する可能性があります。再発を防ぐためには、鼻の中を乾燥させないことと、粘膜への物理的な刺激を減らすことが基本です。
鼻の乾燥を防ぐ暖房を使う季節には、加湿器などを活用して室内の湿度を適切に保ちましょう。鼻の乾燥が気になる場合は、生理食塩水の鼻用スプレーや鼻腔用保湿ジェルなどを利用する方法もあります。
保湿剤を使う場合は、鼻の入り口付近に適量を使用し、奥まで無理に塗り込まないようにしてください。症状が続く場合は、医師や薬剤師に適切な製品を相談しましょう。
鼻を強くかまない・触らない鼻水が出るときは、左右を一度に強くかむのではなく、片方ずつ優しくかむようにします。鼻の中のかさぶたを無理に剥がしたり、指や爪で粘膜を傷つけたりしないことも大切です。
止血後24時間程度は刺激を避ける鼻血が止まった後は、再出血を防ぐため、少なくとも当日は次の行動を控えることが望まれます。
- 強く鼻をかむ行為。
- 激しい運動や重い荷物を持つ行為。
- 長時間の熱い入浴やサウナ。
- 飲酒など血管や出血に影響する行動。
- 鼻の中のかさぶたを取る行為。
NHSの鼻血に関する案内でも、止血後24時間は鼻をかむこと、鼻を触ること、飲酒、熱い飲み物、激しい運動などを避けるよう勧めています。
血圧と服薬状況を定期的に確認する高血圧や糖尿病、肝臓の病気などがある人は、持病の管理も鼻血の再発対策につながります。特に血液を固まりにくくする薬を服用している人は、薬の種類と服用量を把握しておき、受診時に伝えられるようにしておきましょう。
鼻血が頻繁に出るからといって、自己判断で血圧の薬や抗凝固薬を増減するのは危険です。治療中の病気と鼻血の両方について、担当医に相談してください。
【プロの結論】大人の突然の鼻血は出血パターンと全身症状で判断する
大人の鼻血で最も大切なのは、「鼻血が出た」という事実だけで病気を判断しないことです。鼻血の大半は、鼻の粘膜にある細い血管が傷つくことで起こります。特にキーゼルバッハ部位からの出血は、片側だけに突然現れることも珍しくありません。
一方で、鼻血が頻繁に起こる、圧迫しても止まりにくい、歯ぐきからも出血する、青あざが増える、片側の鼻づまりが続くといった場合は、局所的な傷だけでは説明できない可能性があります。
読者が判断するときに押さえておきたい要点は、次の3つです。
- 単発で短時間に止まる鼻血:乾燥や粘膜の傷など、局所的な原因が考えられる。再発しなければ経過を観察できる場合が多い。
- 繰り返す鼻血:鼻炎、鼻腔内の病変、血液疾患、服薬の影響などを調べるため、耳鼻咽喉科を受診する。
- 大量出血や全身症状を伴う鼻血:出血性ショックや後鼻出血などの可能性を考え、速やかに救急医療につなげる。
高血圧については、鼻血との関連が指摘される一方、出血時の血圧上昇が必ずしも原因を意味するわけではありません。白血病や鼻腔腫瘍についても、鼻血だけで診断することはできず、ほかの症状や検査結果を合わせて判断します。
つまり、重要なのは鼻血の原因を一つに決めつけず、出血の頻度・量・止まりやすさ・併発症状を組み合わせて考えることです。正しい止血法を知っておき、危険な兆候があれば早めに医療機関へ相談することが、見逃しを防ぐ現実的な方法です。
【急に鼻血が出る大人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大人が突然鼻血を出すのは病気のサインですか?
A1:必ずしも病気とは限りません。鼻の粘膜の乾燥、鼻をかんだ際の小さな傷、アレルギー性鼻炎などが主な原因です。ただし、繰り返す場合や、歯ぐきからの出血、青あざ、発熱などを伴う場合は、血液疾患や鼻腔内の病変なども考慮して受診してください。
Q2:鼻血が片側だけから出るのは危険ですか?
A2:片側だけの鼻血は一般的な前鼻出血でも起こるため、それだけで危険とはいえません。ただし、同じ側から繰り返し出血し、片側の鼻づまりや血の混じった鼻水、顔の痛みなどを伴う場合は、耳鼻咽喉科で検査を受けましょう。
Q3:鼻血が出たら上を向いて止めてもよいですか?
A3:上を向くのは避けてください。血液がのどに流れ込み、吐き気や嘔吐、誤嚥につながる可能性があります。座って少し前かがみになり、小鼻の柔らかい部分を両側から10〜15分間連続して圧迫するのが基本です。
Q4:鼻血が15分以上止まらない場合はどうすればよいですか?
A4:適切に圧迫しても15分以上出血が続く場合は、医療機関へ相談してください。出血量が多い、めまいがある、意識が遠のく、呼吸が苦しいといった症状があれば、さらに急いで救急医療を受ける必要があります。
Q5:高血圧だと鼻血が出やすくなるのでしょうか?
A5:高血圧と鼻血には関連が指摘されていますが、高血圧だけが直接の原因とは限りません。出血時の緊張で血圧が上がることもあり、血圧が高いから鼻血が出たと断定することはできません。普段の血圧管理と、繰り返す出血の原因確認が大切です。
Q6:鼻血が頻繁に出ると白血病の可能性がありますか?
A6:可能性の一つではありますが、頻繁な鼻血だけで白血病とは判断できません。歯ぐきからの出血、青あざ、点状出血、強い疲労感、発熱などを伴う場合は、早めに医療機関を受診し、血算や血小板数などを調べてもらいましょう。
Q7:血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合、鼻血が出たら薬を止めるべきですか?
A7:自己判断で中止してはいけません。抗凝固薬や抗血小板薬を止めると、血栓症のリスクが高まる場合があります。止血状況と服用薬を医師に伝え、薬の調整について指示を受けてください。
急に鼻血が出る大人の多くは、鼻の粘膜の乾燥や傷など、局所的な原因によるものです。しかし、頻繁に繰り返す鼻血や、止まりにくい鼻血には、高血圧、抗凝固薬、血液疾患、鼻腔腫瘍などが関係している場合があります。
まずは、座って前かがみになり、小鼻を10〜15分間しっかり圧迫する正しい止血法を実践してください。出血が続く場合や大量出血、めまいなどの症状がある場合は、無理に自宅で対応せず医療機関を受診しましょう。
一度の鼻血だけで重大な病気を心配しすぎる必要はありません。しかし、繰り返す鼻血を「いつものこと」と放置するのも適切ではありません。出血のパターンと体全体の変化を見逃さず、必要なタイミングで耳鼻咽喉科や内科、救急医療につなげることが大切です。