2026年11月3日には、二子玉川ライズ スタジオ&ホールでクロージングセレモニーが開催され、各部門の受賞作品が発表されました。
今回の特徴は、映画関係者だけでなく、子どもやティーン自身も審査に参加していることです。
2026年の主な受賞作品一覧公式発表による主な受賞結果は次のとおりです。
- チルドレン短編部門:『サマー・フィルム』
- スウェーデン作品。言葉の違う友達と交流するため、少女が映画制作に挑戦する物語。
- チルドレン長編部門:『秘密捜査員ホーカン』
- スウェーデン作品。親友との関係が変化した少年が、ある作戦を考えるストーリー。
- ティーンズ短編部門:『子羊どもよ』
- 日本作品。友人との関係に悩む少年の心情を描く。
- ティーンズ長編部門:『ルックバック』
- 押山清高監督による日本のアニメーション映画。
- 日本作品短編部門:『味。』
- 岩本崇穂監督作品。食事を通じて人とのつながりを見つけていく中学生を描く。
- 日本作品長編部門:『90メートル』
- 中川駿監督作品。母の介護と自身の将来の間で揺れる高校生の物語。
- ドキュメンタリー部門:『クリスマス・ミステリー』
- ノルウェー作品。毎年届く不思議な贈り物の謎を子どもたちが追う。
加えて、玉川髙島屋S.C.のホワイトモールで上映された作品を対象とする、観客投票による新設の「マインドシンボル賞」には『うたえ!さいごのクジラ』が選ばれました。
また、声優の野沢雅子さんにはキネコ名誉賞が贈られています。
子ども自身が映画を審査する仕組みキネコ国際映画祭の特徴は、子どもたちを単なる観客として扱っていないことです。
コンペティションの審査には、9~12歳の「キネコ審査員」と、13~18歳の「ティーンズ審査員」が参加しました。
それぞれが作品を鑑賞し、心に残った作品を選びます。
この仕組みには、映画祭として大切な意味があります。
大人の映画評論家が評価する芸術性や技術力だけでなく、実際に作品を受け取る子どもたちが何を感じたのかを評価に反映できるからです。
子ども向け映画を大人が一方的に選ぶのではなく、子ども自身が作品の価値を判断する。その姿勢がキネコの教育的な特色にもつながっています。
日本作品の長編グランプリ受賞作はドイツのシュリンゲル国際子ども・青少年映画祭、短編グランプリ受賞作はスウェーデンのBUFFマルメ映画祭で招待上映されることも発表されました。
国内の映画祭での評価が、海外の観客に作品を届ける機会につながる点も見逃せません。
映画祭を支える主要な関係者第33回では、映画祭の運営やステージを支える著名人も参加しました。
| 人物・団体 | 映画祭での役割・関係 |
|---|---|
| 戸田恵子さん | ジェネラル・ディレクター |
| 中山秀征さん | エグゼクティブ・ディレクター |
| 横山だいすけさん | チーフ・プログラミング・ディレクター |
| 高橋克典さん | スペシャル・サポーター |
| 井ノ原快彦さん | スペシャル・サポーター |
| 野沢雅子さん | 第33回キネコ名誉賞 |
| 本上まなみさん | クロージングセレモニー特別ゲスト |
| 藤井直樹さん | クロージングセレモニー特別ゲスト |
| 一般社団法人キネコ・フィルム | 主催・映画祭運営 |
特にクロージングセレモニーでは、井ノ原快彦さん、本上まなみさん、藤井直樹さんがライブシネマに挑戦しました。
井ノ原さんと本上さんは、アニメ「すみっコぐらし」で長くナレーションを担当してきた関係でも知られています。
セレモニーでは2人が「すみっコぐらし」を、藤井さんを交えた3人がスウェーデン作品『スパイラル』を生吹き替えで披露しました。
本上さんは上映後、生の声を広い空間で届ける体験について、特別な経験だったと振り返っています。
こうした映画祭の出演者と作品、観客との関係性は、一般的な映画の舞台挨拶とは違う魅力です。作品を紹介するだけではなく、声を通じて観客と一緒に映画を完成させるような体験が生まれています。
【チケット料金を徹底比較】会場別の価格と無料上映

2026年のキネコ国際映画祭は、会場や上映形式によってチケット料金が異なりました。
同じ映画祭の上映作品でも、二子玉川ライズ スタジオ&ホールと109シネマズ二子玉川では価格設定が違います。
以下は2026年の開催時に設定されていた料金です。
会場別チケット料金1. 二子玉川ライズ スタジオ&ホール
声優による生吹き替え上映が行われた会場です。
| 区分 | 前売り | 当日 |
|---|---|---|
| 子ども(3~17歳) | 700円 | 1,000円 |
| 大人(18歳以上) | 1,700円 | 2,000円 |
2. 109シネマズ二子玉川・玉川髙島屋S.C.南館6階ホワイトモール
| 区分 | 前売り | 当日 |
|---|---|---|
| 子ども(3~17歳) | 400円 | 500円 |
| 大人(18歳以上) | 1,200円 | 1,500円 |
3. シュクレペールカフェ・ふたこビール醸造所
映画を街の飲食店で楽しむ「I LOVE THEATER」の会場です。
| 区分 | 前売り・当日共通 |
|---|---|
| 子ども(3~17歳) | 500円 |
| 大人(18歳以上) | 1,500円 |
この料金にはチャージ料が含まれ、ドリンクとスイーツ、またはスナックが付く仕組みでした。
4. せたがやイーグレットホール
ワンダフル フィルムハーモニーのオーケストラ上映会場です。
| 区分 | 前売り | 当日 |
|---|---|---|
| 子ども(3~17歳) | 1,000円 | 2,000円 |
| 大人(18歳以上) | 3,000円 | 4,000円 |
5. 二子玉川ライズ ガレリア広場
こちらではLEDを使った無料上映が行われ、全席無料と案内されていました。
前売り券の販売期間と注意事項2026年の前売り券は、10月1日(木)10時から公式サイトと公式アプリで販売されました。
前売り料金の適用期間は10月29日(木)23時59分までです。
購入・鑑賞に関する主な条件は以下のとおりでした。
- 高校生は子ども料金。
- 2歳以下は膝上鑑賞の場合に限り無料。
- 2歳以下でも座席が必要な場合は子ども料金。
- 全席自由席。
- 各回定員入替制。
- 購入後の変更・払い戻しは不可。
- オーケストラ上映は前売り券が完売した場合、当日券の販売なし。
特に注意したいのは、通常上映とオーケストラ上映では価格差が大きいことです。
大人2人と子ども1人で比較すると、109シネマズ二子玉川の前売り券は合計2,800円ですが、オーケストラ上映の前売り券は合計7,000円です。
その分、後者では声優の生吹き替えとフルオーケストラを組み合わせた特別な鑑賞体験が楽しめます。単純な料金比較ではなく、何を体験したいかで選ぶことが大切です。
【会場・アクセス】二子玉川ライズから世田谷までの開催エリア
2026年のキネコ国際映画祭は、1つの映画館だけで完結するイベントではありませんでした。
二子玉川駅周辺の商業施設や飲食店、さらに世田谷駅周辺のホールまで、複数の場所に会場が設けられています。
主な会場の位置関係
二子玉川駅周辺の主な上映会場二子玉川ライズ スタジオ&ホール
東京都世田谷区玉川1-14-1/テラスマーケット2階
ライブシネマを中心とした上映会場です。声優の生吹き替えを楽しみたい人にとって、重要な拠点でした。
109シネマズ二子玉川
東京都世田谷区玉川1-14-1/テラスマーケット3・4階
通常の映画館で作品を鑑賞できる会場です。子ども向けの短編や長編などを映画館の環境で楽しめます。
玉川髙島屋S.C.南館6階 ホワイトモール
東京都世田谷区玉川3-17-1
通常の映画館とは違った商業施設内の上映スポットです。観客投票で選ばれるマインドシンボル賞の対象作品も上映されました。
シュクレペールカフェ・ふたこビール醸造所
世田谷区玉川周辺
「I LOVE THEATER」の会場として、飲食店で映画を楽しむ企画が実施されました。
映画館に行くというよりも、二子玉川の街を散策しながら映画に触れる楽しみ方ができるのが特徴です。
せたがやイーグレットホールへのアクセス東京都世田谷区世田谷4-21-27
せたがやイーグレットホールは、世田谷区民会館としても知られる施設です。
2026年はワンダフル フィルムハーモニーの会場となりました。
最寄りの交通機関は東急世田谷線の世田谷駅です。
二子玉川駅周辺の会場とはエリアが異なるため、同じ日に複数会場を回る場合は、上映時間だけでなく移動時間も考慮する必要があります。
会場を回る際に押さえたいポイント二子玉川駅周辺では、複数の上映会場が比較的近いエリアに集まっています。一方、オーケストラ上映のあるせたがやイーグレットホールは別エリアです。
親子で参加するなら、同じエリアの上映をまとめて予約するほうが移動の負担を抑えられます。
【映画だけではない】ワークショップやステージイベントも充実
キネコ国際映画祭の魅力は、59作品の上映だけではありません。
会期中には、映画に関連した創作活動や地域の文化に触れられるイベントも展開されました。
KINEKO MARCHEとクリエイティブワークショップ二子玉川ライズ周辺では、子どもが遊びや学びを体験できる企画や、創作活動に参加できるワークショップが実施されました。
映画を観るだけでなく、自分で考えたり、手を動かしたりする機会があるため、映画鑑賞が初めての子どもでも参加の楽しみを見つけやすい構成です。
一部のワークショップは事前予約制でした。
GALLERIA EVENTとKINEKO's Got Talent二子玉川ライズ ガレリアでは、地域で活動する人たちによるステージ企画が行われました。
「KINEKO's Got Talent」は、世田谷を中心に活動する個人や団体の才能を発信するステージオーディションです。
歌、ダンス、演奏、演劇など幅広いジャンルが対象となり、2026年10月31日と11月1日にガレリアの屋外ステージで開催されました。
グランプリ受賞者は11月3日のクロージングセレモニーで表彰される仕組みでした。
こうした地域参加型の企画は、映画祭を映画業界だけのイベントにせず、街全体で盛り上げる役割を果たしています。
0歳から参加できる映画祭としての工夫子ども向けイベントでは、対象年齢や上映時間、会場環境が重要になります。
キネコ国際映画祭では、0歳から楽しめる作品を含む短編プログラムを用意し、年齢や成長に合わせた作品選びができるようにしていました。
また、暗い場所や大きな音が苦手な子どもにも配慮した、初めての映画館体験向けの作品が編成されています。
ただし、0歳から参加できることと、すべての作品がすべての年齢に適していることは同じではありません。
小さな子どもと参加する場合は、対象年齢や上映時間、作品のテーマを確認することが大切です。
【プロの結論】キネコ国際映画祭はどんな家族におすすめ?
第33回の内容を振り返ると、キネコ国際映画祭は単に子ども向けの映画を集めたイベントではありません。
世界の映画に触れ、異なる文化や価値観を知り、作品を観た後に家族で感想を共有できる文化体験の場です。
特に2026年は、オーケストラとライブシネマの融合や、子ども自身が審査員になる仕組みなど、映画を受け取る側の体験を重視した企画が目立ちました。
参加をおすすめできる人- 子どもに海外の文化や映画を体験させたい家庭
- 映画館デビューを考えている未就学児のいる家庭
- 声優やアニメーション制作に興味がある子ども
- 親子で映画を観て、感想を話し合いたい人
- 10代の子どもに社会問題や多様な価値観に触れてほしい家庭
- オーケストラや舞台芸術に関心がある人
一方、次のような希望がある場合は、プログラムの内容を慎重に選ぶ必要があります。
- 商業映画の最新作や人気シリーズだけを観たい人
- 1つの会場だけで全プログラムを楽しみたい人
- 上映作品の対象年齢を確認せずに参加したい人
- 長時間の移動や複数会場の移動が難しい家庭
特に二子玉川と世田谷の会場を同日に回る場合は、移動の負担を考える必要があります。
映画祭の価値は「作品数」だけでは判断できない59作品という数字は、映画祭の規模を示す一つの指標です。
しかし、本当に注目すべきなのは、子どもが自分の年齢や関心に合う作品を選べること、鑑賞後に考えを深められること、そして国際的な作品に触れられることです。
特にティーンズ向け作品の上映後にディスカッションを設けたことや、子ども自身が審査に参加したことは、映画を通じた教育的な体験という観点からも評価できる取り組みです。
映画祭を選ぶ際は、単純な上映本数や知名度だけではなく、参加者がどのような経験を持ち帰れるかを判断基準にするとよいでしょう。
【キネコ国際映画祭2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キネコ国際映画祭2026はいつ開催されましたか?
A1:第33回は2026年10月30日(金)から11月3日(火・祝)までの5日間開催されました。
Q2:2026年の上映作品は何作品ですか?
A2:700本以上の応募作品から選ばれた59作品です。内訳はコンペティション45作品、特別上映14作品でした。
Q3:キネコ国際映画祭のライブシネマとは何ですか?
A3:映画の映像に合わせて声優がその場で日本語の吹き替えを行う上映方式です。あらかじめ収録された音声とは異なる、生の演技ならではの臨場感が特徴です。
Q4:ワンダフル フィルムハーモニーはいつ開催されましたか?
A4:2026年11月1日(日)に、せたがやイーグレットホールで開催されました。14時と17時の2回で、声優の生吹き替えとフルオーケストラの生演奏を組み合わせた特別企画でした。
Q5:チケット料金はいくらでしたか?
A5:通常の109シネマズ二子玉川では、子ども400円、大人1,200円からの前売り料金でした。二子玉川ライズ スタジオ&ホールでは子ども700円、大人1,700円、オーケストラ上映では子ども1,000円、大人3,000円でした。いずれも2026年開催時の前売り価格です。
Q6:キネコ国際映画祭は0歳の赤ちゃんでも参加できますか?
A6:はい。0歳からの映画館デビューを想定した短編プログラムが編成されていました。ただし、作品ごとに対象年齢や内容が異なるため、個別のプログラムを確認することが大切です。
Q7:キネコ国際映画祭の主な会場はどこですか?
A7:二子玉川ライズ スタジオ&ホール、109シネマズ二子玉川、玉川髙島屋S.C.南館6階ホワイトモール、せたがやイーグレットホールなどです。飲食店を利用した上映会場も設けられました。
Q8:キネコ国際映画祭はいつから開催されていますか?
A8:1992年に第1回が開催されました。ベルリン国際映画祭の児童映画部門の協力を得て始まり、2026年に第33回を迎えました。
2026年10月30日から11月3日まで開催された第33回キネコ国際映画祭は、700本以上から選ばれた59作品を上映し、二子玉川と世田谷の複数会場で多彩な企画を展開しました。
特に注目されたのは、次の3つです。
1. 59作品の国際色豊かなラインアップ:子どもからティーンまで、年齢や関心に応じた作品を鑑賞できる構成。
2. ライブシネマとフルオーケストラの融合:声優の生吹き替えと生演奏による新しい映画体験。
3. 子どもが主役になる仕組み:キネコ審査員やティーンズ審査員による作品選考、上映後のディスカッション。
1992年から続く映画祭が、単なる上映イベントにとどまらず、国際交流、地域文化、子どもの表現や思考を育てる場へと発展していることが分かります。
2026年の開催は終了しましたが、59作品の上映や新設賞、特別企画は、第33回を振り返るうえで重要な成果です。
今後の開催情報を確認する際も、開催日程だけでなく、上映作品の対象年齢、ライブシネマの実施内容、会場ごとの料金、子どもが参加できる企画に注目すると、キネコ国際映画祭をより深く楽しめるでしょう。