柳英里紗は、映画を中心にテレビドラマや舞台にも出演してきた日本の俳優・映画監督である。幼少期から芸能活動を続け、子役から大人の俳優へとキャリアを重ねてきた。
基本プロフィール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 柳英里紗 |
| 読み方 | やなぎ・えりさ |
| 別名表記 | 柳英里沙 |
| 生年月日 | 1990年4月30日 |
| 年齢 | 36歳(2026年11月現在) |
| 出身地 | 神奈川県出身とするプロフィールが多い |
| 職業 | 女優・映画監督 |
| 映画デビュー作 | 『金髪の草原』 |
| テレビドラマデビュー | 『お仕事です!』 |
プロフィールの出典は映画.com、WEBザテレビジョン、ファッションプレスなど。なお、出生地についてはファッションプレスがハワイ生まれ・神奈川県育ちと紹介しており、神奈川県を出身地とするプロフィールとの間には表記上の違いがある。
柳英里紗と柳英里沙は別人?検索時に混乱しやすいのが「柳英里紗」と「柳英里沙」という2つの表記だ。
映画.comでは「柳英里沙」を別名として掲載しており、いずれも同じ俳優を指す表記である。
そのため、過去の出演作品を調べる場合は、両方の漢字表記を使って検索すると作品情報を見つけやすい。
子役時代は1990年代から柳英里紗の芸能活動は、1990年代にさかのぼる。
映画.comのプロフィールによると、1998年のテレビドラマ『お仕事です!』が子役としてのデビュー作。翌1999年には犬童一心監督の『金髪の草原』に出演し、映画の世界にも進出した。
なお、『金髪の草原』については、1999年を映画デビュー年とする紹介と、2000年を初出演年とする作品紹介が存在する。映画の製作・公開時期の表記には違いがあるものの、初期の代表的な出演作であることは共通している。
加えて、NHK教育の『週刊こどもニュース』にも2002~2004年に出演。2005年には『英語であそぼ』にも登場した。
映画だけでなく、子ども向けテレビ番組でも活動していた点は、現在の映画俳優としてのイメージからは見落とされやすい経歴だ。
【子役デビューから2026年まで】柳英里紗の経歴・出演作品を年表で整理

柳英里紗の経歴を理解するには、子役時代、映画での存在感を高めた時期、監督業への進出、近年の出演作という4つの流れで見ると分かりやすい。
以下は、公開されているプロフィールや映画作品データをもとにした主要な活動年表だ。
2000年代に映画出演を重ねた柳英里紗は、2011年の『惑星のかけら』、2013年の『チチを撮りに』で主演を務めた。
この時期は、子役から成長した俳優として、作品の中心を担う機会が増えた時期でもある。
2015年には冨永昌敬監督の『ローリング』に出演。独立系映画を中心に、個性的な監督や共演者と仕事を重ねていった。
2018年以降は、自身で映画を企画・制作する活動も加わる。出演者という立場だけにとどまらず、映画づくりそのものに関わるキャリアへと広がっている。
【代表作を深掘り】『天然コケッコー』『チチを撮りに』『ローリング』の魅力
柳英里紗の出演歴には、商業映画から独立系映画まで幅広い作品が並ぶ。
なかでも、彼女の俳優としての歩みを知るうえで押さえておきたいのが、次の作品だ。
『天然コケッコー』(2007年)
作品情報
- 公開:2007年
- 監督:山下敦弘
- 出演:柳英里紗ほか
- ジャンル:青春・人間ドラマ
『天然コケッコー』は、くらもちふさこの漫画を原作とした青春映画。田舎町の学校を舞台に、少女たちの日常や成長を描いた作品だ。
山下敦弘監督による映画作品で、柳英里紗の出演歴を語る際にも欠かせないタイトルとなっている。
この作品で注目したいのは、子役時代から活動してきた彼女が、同世代の登場人物を描く青春映画にも出演していた点だ。
後年の『チチを撮りに』や『ローリング』とは作品の雰囲気が異なり、出演作の幅を知るための入口としても適している。
『チチを撮りに』(2013年)
作品情報
- 劇場公開:2013年2月16日
- 監督・脚本:中野量太
- 主演:柳英里紗、松原菜野花
- 柳英里紗の役:東村葉月
『チチを撮りに』は、柳英里紗の代表作として特に重要な作品だ。
物語の中心となるのは、父親が家を出てから長い時間が経過した姉妹。父親が危篤になったと聞いた母親から、死を迎えようとする父の写真を撮ってくるよう頼まれる。
柳英里紗は姉の東村葉月を演じ、妹の呼春を松原菜野花が演じた。母親役は渡辺真起子、共演には滝藤賢一も名を連ねる。
本作は中野量太監督の劇場用長編デビュー作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で監督賞とSKIPシティアワードを受賞し、第63回ベルリン国際映画祭にも正式招待された。
これらは作品・監督に関する評価であり、柳英里紗個人の受賞歴とは区別する必要がある。
柳英里紗が語った『チチを撮りに』の役づくり2013年2月の女性自身のインタビューでは、柳英里紗本人が葉月役への取り組みを語っている。
特に興味深いのは、中野監督が撮影前から姉妹役の2人に交流の機会を設けていたことだ。
監督の提案で、妹役の松原菜野花と一緒に買い物に出かけたり、プリクラを撮ったり、メールを交換したりする時間を過ごしたという。
こうした準備によって、撮影現場で初めて姉妹らしさを演じるのではなく、役者同士の関係性を実際に育てていった。
また、柳英里紗は葉月について、自分自身の過去の経験を生かしながら演じたことも明かしている。
演技を技術だけで組み立てるのではなく、本人の経験や共演者との関係を役づくりに反映させた事例として興味深い。
『ローリング』(2015年)
作品情報
- 公開:2015年6月13日
- 監督・脚本:冨永昌敬
- 主な出演者:三浦貴大、柳英里紗、川瀬陽太
- 柳英里紗の役:みはり
- 上映時間:93分
『ローリング』は、茨城県水戸市を舞台にした人間ドラマだ。
柳英里紗が演じるのは、東京から水戸へやって来たキャバクラ嬢のみはり。
三浦貴大演じる貫一、川瀬陽太演じる元高校教師の権藤との関係を軸に、過去の事件や人間関係が複雑に絡み合っていく。
本作の特徴は、登場人物を単純な善悪で分けず、それぞれの欲望や弱さを描いているところにある。
『チチを撮りに』の家族ドラマとは異なる、癖のある人物たちが登場する作品であり、柳英里紗の出演作を比較して見ると、役柄の幅がよく分かる。
そのほかの注目映画・ドラマ代表作以外にも、次のような作品に出演している。
- 『神童』(2006年):萩生田宏治監督の映画。
- 『グーグーだって猫である』(2008年):犬童一心監督作品。
- 『惑星のかけら』(2011年):吉田良子監督作品。主演作の一つ。
- 『八重の桜』(2013年):NHK大河ドラマ。
- 『シン・ゴジラ』(2016年):樋口真嗣監督らによる話題作。
- 『くも漫。』(2017年):実話を基にした映画。
- 『岐阜にイジュー!』(2017年):水崎綾女とのダブル主演ドラマ。
- 『すずしい木陰』(2020年):柳英里紗が主演した映画。
- 『凪の海』(2020年):島崎沙織役。
- 『マイライフ、ママライフ』(2022年):野田結衣役。
- 『餓鬼が笑う』(2022年):妙役。
- 『almost people』(2023年):神尾火水子役。
特定の大作だけに出演するのではなく、独立系映画や小規模な映画制作にも継続的に参加している点が特徴だ。
【映画監督としての柳英里紗】『VERY FANCY』から『世田谷の優ちゃん』まで
柳英里紗を理解するうえで、俳優業と並んで注目したいのが映画監督としての活動だ。
2018年に短編映画『VERY FANCY』を発表し、監督デビューを果たした。
『VERY FANCY』(2018年)
作品情報
- 制作年:2018年
- 上映時間:約30分
- 監督・主演:柳英里紗
- 脚本・編集:柳英里紗
『VERY FANCY』は、柳英里紗が自ら映画を作るきっかけとなった作品だ。
ファッションプレスの記事によると、名古屋のミニシアター、シネマスコーレで自身の出演作を集めた「柳英里紗映画祭」が開催されたことが、制作への意欲につながった。
自分の出演作が上映されるのであれば、自分で撮った映画も上映できるのではないか。そうした発想が監督デビューにつながったという。
加えて、本人が演じる役が亡くなる展開の作品が続いていたことも、自分で映画を撮る後押しになった。
作品では、俳優の柳英里紗が映画を撮ろうとする姿を描き、現実とフィクションが交差する構成になっている。
特筆すべきは制作体制だ。
ファッションプレスの紹介によると、製作費は約60万~70万円。柳英里紗自身が資金を用意し、脚本、監督、出演、編集だけでなく、出演交渉や効果音作りまで担当した。
映画制作の専門学校で学んだ経験に頼るのではなく、好きな映画から表現を吸収し、自分の方法で作品に落とし込んだ。
『COSMIC BLUE』(2019年)
作品情報
- 制作年:2019年
- 上映時間:約24分
- 監督・脚本:柳英里紗
- 出演:三浦貴大、小川あん、清水あいりほか
2作目の監督作品として知られるのが『COSMIC BLUE』だ。
仙台短篇映画祭の2021年の上映資料では、柳英里紗が監督・脚本を担当した24分の短編映画として紹介されている。
物語は、死が迫る地球外生命体と人間との関係を描いたSF作品。『VERY FANCY』とは異なる題材を選んでおり、ジャンルに縛られない映画制作への関心が表れている。
岡本喜八監督のSF映画『ブルークリスマス』を自分なりに作ってみたいという発想が制作の背景にあったことも、ファッションプレスの記事で紹介されている。
『世田谷の優ちゃん』(2020年)
作品情報
- 公開:2020年12月
- 監督・脚本:柳英里紗
- 出演:小園優、柳英里紗、木口健太、川村紗也、三浦貴大ほか
『世田谷の優ちゃん』も柳英里紗が監督・脚本を担当した作品である。
2020年12月12日に名古屋のシネマスコーレで公開されたことが、ぴあ映画の記事で紹介されている。
『VERY FANCY』から『COSMIC BLUE』、そして『世田谷の優ちゃん』へと続く制作歴を見ると、単発の挑戦ではなく、複数の作品を通して監督としての表現を探ってきたことが分かる。
柳英里紗の映画監督としての特徴監督作品に共通しているのは、自分自身の関心や身近な人間関係を出発点に、自由な発想で映像化していることだ。
また、守屋文雄と組んだコマ撮り短編シリーズ「ギっちゃん」にも取り組んでいる。
俳優として映画の現場に長く携わってきた経験は、監督業にも生かされていると考えられる。
役者の立場で演出を受ける経験と、自ら演出を考える経験。その両方を持つことは、独立系映画の現場で制作に関わるうえで大きな強みになる。
【柳英里紗の現在】『箱男』出演と2026年の活動状況
『箱男』
- 公開:2024年8月23日
- 監督:石井岳龍
- 原作:安部公房
- 出演:永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市ほか
- 柳英里紗も出演
2024年の出演作として注目したいのが、石井岳龍監督の『箱男』だ。
原作は、作家・安部公房が1973年に発表した同名小説。
段ボール箱をかぶって街を観察する「箱男」という存在を通じて、人間の視線や社会との関係を描いた作品である。
主演は永瀬正敏。浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市らも出演している。
本作には、柳英里紗も出演者としてクレジットされている。
映画化には長い経緯があり、石井岳龍監督は1990年代に映画化を試みたものの、撮影開始直前に計画が頓挫。その後、安部公房の生誕100年に当たる2024年に完成させた。
なお、『箱男』の監督は柳英里紗ではなく石井岳龍。柳英里紗は俳優として参加している。
2024年の配信ドラマ『フクロウと呼ばれた男』映画以外では、2024年4月に配信されたドラマ『フクロウと呼ばれた男』にも出演している。
田中泯、新田真剣佑らが出演した作品で、柳英里紗は大神一郎の妻であり、大神イサムの娘でもある大神沙帆役を担当した。
政治の裏側や権力をめぐる人間関係を描く作品で、これまでの映画とは異なる役柄を演じている。
また、2023年配信開始の『僕の手を売ります』ではゲスト出演し、佐伯美和子役を務めた。
このように、映画だけでなく配信ドラマにも活動の場を広げている。
2026年現在、新作や活動はどうなっている?2026年11月5日時点で確認できる公開作品記録では、2024年の『箱男』や『フクロウと呼ばれた男』が近年の出演歴として挙げられる。
一方、主要な映画プロフィールや作品一覧では、2025~2026年に公開された新作映画・監督作品について、公開日を伴う確かな情報は確認しにくい。
ただし、作品一覧に新しい公開記録がないことだけで、芸能活動を休止したと判断することはできない。
柳英里紗の場合、商業映画への出演だけでなく、自主制作や短編映画の監督にも取り組んできた経緯がある。出演情報だけを追っていると、活動の全体像を捉えにくい俳優の一人だ。
2026年の活動を追う際には、劇場公開作品だけでなく、短編映画祭への参加、監督作品の上映、配信ドラマへの出演情報も注目したい。
【プロの結論】柳英里紗は俳優と映画監督の二つの顔を持つ表現者
柳英里紗のキャリアを振り返ると、単純な出演作品数だけでは捉えきれない特徴が見えてくる。
大きく分けると、次の3点が重要だ。
1.子役から長期的に映画の現場で経験を積んできたこと
1998年のテレビドラマデビューから、2007年の『天然コケッコー』、2013年の『チチを撮りに』まで、成長とともに出演作品の幅を広げてきた。
2.独立系映画で主演・ヒロインを務めてきたこと
『チチを撮りに』『ローリング』など、監督の個性が強く表れる作品で重要な役を担っている。大作への出演歴だけでなく、こうした作品群に注目すると、俳優としての持ち味が見えてくる。
3.自ら映画を作る立場に進んだこと
『VERY FANCY』で監督デビューし、『COSMIC BLUE』『世田谷の優ちゃん』へと制作を続けた。脚本や編集、出演交渉まで担当した制作経験は、俳優業とは別の重要なキャリアである。
柳英里紗の作品を見るなら何から始めるべき?初めて作品を見る人には、次の順番がおすすめだ。
| 見たいポイント | おすすめ作品 |
|---|---|
| 俳優としての代表作 | 『チチを撮りに』 |
| 青春映画への出演歴 | 『天然コケッコー』 |
| 個性的な役柄 | 『ローリング』 |
| 映画監督としての出発点 | 『VERY FANCY』 |
| SF的な発想と映像表現 | 『COSMIC BLUE』 |
| 近年の映画出演 | 『箱男』 |
出演作を通して俳優としての変化を知りたい人には『チチを撮りに』と『ローリング』、監督としての表現に興味がある人には『VERY FANCY』と『COSMIC BLUE』が特におすすめだ。
【柳英里紗に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:柳英里紗は何歳?生年月日は?
A1:1990年4月30日生まれ。2026年11月現在は36歳。映画.comやWEBザテレビジョンなどのプロフィールに掲載されている。
Q2:柳英里紗の代表作は何?
A2:『天然コケッコー』『チチを撮りに』『ローリング』などが代表的な出演作。近年の映画では2024年公開の『箱男』にも出演している。
Q3:柳英里紗は映画監督もしている?
A3:している。2018年の短編映画『VERY FANCY』で監督デビューし、『COSMIC BLUE』(2019年)、『世田谷の優ちゃん』(2020年)などを制作している。
柳英里紗は、1998年の子役デビューから映画・ドラマへの出演を重ね、現在は俳優と映画監督の両方で活動歴を持つ表現者だ。
『天然コケッコー』『チチを撮りに』『ローリング』は俳優としてのキャリアを知るうえで重要な作品であり、『VERY FANCY』『COSMIC BLUE』『世田谷の優ちゃん』は映画監督としての個性を知る手掛かりになる。
2024年の『箱男』や『フクロウと呼ばれた男』への出演も、近年の活動を知るうえで押さえておきたい。
2026年以降の動向では、新たな出演作だけでなく、短編映画の制作や監督としての活動にも注目したい。子役から積み上げてきた演技経験と、自ら作品を生み出す創作活動。その二つを併せ持つことこそ、柳英里紗という俳優のキャリアを理解する最大のポイントである。