株式会社MJGが破産したからといって、すべての店舗が同じ日に消滅したわけではありません。
破産後、一部の店舗や事業は別会社に引き継がれました。この経緯を理解するには、MCJ、aprecio、Mente、DUAL MEDICALという企業・ブランドの関係を整理する必要があります。
2020年5月、MCJが19店舗と研修所を取得2020年5月14日、東証上場企業の株式会社MCJは、子会社aprecioを通じて株式会社MJGの一部事業を譲り受けることを発表しました。
取得対象は次のとおりです。
- 接骨院などの店舗19か所
- 研修所1か所
- 譲受価格は1億3,000万円
この事業譲渡は、破産管財人の管理下にあったMJGの事業の一部を引き継ぐものでした。
MCJはパソコン関連事業などを展開する企業ですが、当時のaprecioは複合カフェ、タイ古式マッサージ、24時間フィットネスなども運営していました。
店舗運営や会員ビジネスのノウハウを接骨院事業にも活用する狙いがあったと、MCJの発表資料に記載されています。
重要なのは、MJGの会社そのものが復活したわけではないという点です。
事業の一部が別会社に引き継がれたのであり、旧株式会社MJGの経営責任や債務までaprecioが包括的に引き継いだという意味ではありません。
2025年12月、Mente接骨院事業が再び譲渡された2026年現在の状況を調べるうえで、見逃せないのが2025年12月1日の動きです。
MCJは2025年12月1日、子会社aprecioが運営していた接骨院「Mente」の事業を国内法人へ譲渡したと発表しました。
譲渡先の企業名や譲渡価格は、MCJの発表では非公表です。
同日、Dstyle group.も新会社の株式会社DUAL MEDICALを設立し、関東地方で11店舗を展開するMente接骨院が同グループに参画したと発表しています。
このため、現在のMenteは旧MJGの会社組織とは異なる運営体制に移っています。
2026年現在、Mente接骨院は11院を展開2026年11月時点で確認できるMenteの公式店舗一覧では、関東地方に11院が掲載されています。
| 地域 | 店舗名 | 店舗数 |
|---|---|---|
| 東京都 | 拝島院・骨盤立川院・東大和中央院 | 3 |
| 神奈川県 | 相模原番田院・川崎観音院・横浜山元院・平塚真田院・寒川一之宮院 | 5 |
| 千葉県 | 船橋二和東院・八千代緑が丘院 | 2 |
| 埼玉県 | 春日部小渕院 | 1 |
| 合計 | Mente接骨院 | 11 |
出典:Mente公式店舗一覧。2026年11月時点で掲載されている店舗情報。
ここで注意したいのは、2020年にaprecioが取得した19店舗と、2025年にMenteとして引き継がれた11店舗が、完全に同一の店舗群であるとまでは公表資料から確認できないことです。
店舗の統廃合や運営形態の変更があった可能性も考慮する必要があります。
したがって、旧MJGの約180店舗が現在も営業しているという理解は誤りです。
現在の整理は、旧MJGは2020年に破産し、一部事業がaprecioに引き継がれ、その後Mente事業が2025年12月に新たな運営体制へ移った、というものです。
【口コミ・評判・料金】MJG接骨院の施術内容と現在のMenteを混同しない

「MJG接骨院の口コミは悪いのか」「実際の施術に問題があったのか」という疑問も多く見られます。
ただし、口コミを判断するときには、旧MJG時代の店舗と現在のMenteを区別することが欠かせません。
MJG接骨院で提供されていたPIMバランス整復とは帝国データバンクの企業情報によると、MJGは40~60代の女性を中心とした利用者層を意識し、骨盤・深層筋・神経のバランスに着目した「PIMバランス」のメニューを主力としていました。
また、柔道整復術による施術や、交通事故・スポーツ事故などによる急性症状への対応も行っていました。
当時の施術内容を大きく分けると、次のようになります。
- 骨盤矯正や姿勢調整
- 深層筋へのアプローチ
- EMSを使った筋肉トレーニング
- 交通事故によるむち打ちなどへの施術
- 捻挫や打撲などへの柔道整復術
PIMバランス整復は、MJGが独自の技術として打ち出していた施術体系です。
ただし、独自の名称が付いているからといって、一般的な医学的治療法として有効性が確立されていることを意味するわけではありません。
特に、施術による痛みの緩和と、体脂肪の減少や体型変化は別の評価対象です。
2019年の措置命令も、痩身効果をうたう広告の合理的根拠が認められなかったことに関するものでした。
口コミや評判を判断するときの注意点旧MJG接骨院の口コミには、施術内容、担当者、店舗環境、接客など複数の評価軸が存在します。
しかし、過去の店舗に対する評価を、そのまま現在のMenteの評価に置き換えることはできません。
また、2019年には「全国1位」「三冠達成」などの評価表示そのものが行政処分の対象となっています。
そのため、ランキングや星の数だけで施術品質を判断するのは適切ではありません。
口コミを見るなら、次の点を確認したいところです。
1. 直近の利用者による具体的な感想か。
2. 施術内容や料金について具体的に書かれているか。
3. 良い評価だけでなく、改善を求める意見も確認できるか。
4. 口コミの対象店舗と現在の運営会社が一致しているか。
5. 施術後の経過や説明内容が具体的に記載されているか。
特に最後から2番目の要点は重要です。
同じ看板や似た施術メニューが残っていても、運営会社やスタッフ、契約内容が変われば、サービスの実態も変わる可能性があります。
現在のMente接骨院の施術内容と料金Menteの公式サイトでは、次のような施術メニューが紹介されています。
バランス整復コース
骨盤矯正、インナーマッスルトレーニング、筋肉調整を組み合わせる施術。
骨盤矯正コース
専用ベッドなどを使い、姿勢や骨盤のバランスにアプローチする施術。
インナーマッスルEMSコース
電気刺激を利用して体幹や深層筋のトレーニングを目指す施術。
産後矯正コース
出産後の身体の状態に配慮した骨盤調整。
料金については、旧MJG時代のキャンペーン価格や回数券の情報を、2026年現在のMenteの料金として扱うことはできません。
現在の公式メニューでは、症状や状態によって料金が異なる施術もあり、回数券についても店舗への確認が案内されています。
初回の相談では、次の点を確認してください。
- 初診料や検査料はいくらか。
- 1回の施術にかかる費用はいくらか。
- 保険適用と自費施術の区別は何か。
- 回数券を購入しなくても施術を受けられるか。
- 中途解約や未使用分の返金条件はどうなっているか。
旧MJGの問題を知っているからこそ、現在の運営会社と料金体系を改めて確認することが大切です。
【保険診療の不正請求報道は事実?】行政処分と従業員の告発を分けて考える
MJGについて調べると、景品表示法違反のほかに、保険診療の不正請求という言葉も出てきます。
この問題は、2019年の行政処分と混同されやすいため、慎重に整理する必要があります。
2020年に報じられた保険請求をめぐる問題2020年2月ごろ、MJGの従業員側から、労使トラブルや保険診療の不正請求などについて告発があったと業界メディアや企業倒産関連の報道で伝えられました。
帝国データバンクの倒産関連情報でも、こうした問題が企業の信用低下に影響した要因として挙げられています。
ただし、ここで重要なのは、報道された告発と、行政機関が監査によって不正請求を認定した事案は異なるという点です。
2019年の景品表示法違反は、埼玉県による正式な措置命令が存在します。
一方、MJGの保険請求については、今回確認できた資料から、すべての店舗や従業員について不正請求が行政上確定したと判断することはできません。
したがって、「MJGの全店舗が不正請求をしていた」といった断定は適切ではありません。
そもそも接骨院で健康保険が使える条件とは?この問題を理解するためには、柔道整復師による施術の保険適用ルールを知っておく必要があります。
厚生労働省によると、接骨院・整骨院で健康保険の対象になるのは、主に次のような負傷です。
- 骨折
- 脱臼
- 打撲
- 捻挫
- 肉離れなどの挫傷
骨折や脱臼については、応急手当の場合を除き、原則として事前に医師の同意が必要です。
一方、次のような施術は原則として健康保険の対象になりません。
- 慢性的な肩こり
- 単なる筋肉疲労
- 慰安目的のマッサージ
- 慢性的な腰痛などへの施術
こうした施術は基本的に自費負担です。
保険請求で利用者が注意すべきこと接骨院で施術を受ける場合、施術者が患者に代わって保険者に療養費を請求する受領委任という仕組みがあります。
この際、利用者が確認したいのが療養費支給申請書です。
署名する前に、次の内容を確認してください。
- 実際に施術を受けた負傷部位か。
- 施術を受けた日数と記載された日数が一致しているか。
- 実際の負傷原因が正しく記載されているか。
- 施術内容と請求金額が適切か。
厚生労働省や健康保険関係機関も、保険請求の内容を患者自身が確認するよう案内しています。
この知識は、MJGに限らず、どの接骨院を利用する場合にも役立ちます。
【失敗しないための判断基準】怪しい接骨院を見分ける7つのポイント
MJGの経緯から学べるのは、接骨院を選ぶ際に、広告の派手さや店舗数だけを信用してはいけないということです。
利用者が自分で確認できる判断基準を7つ紹介します。
1. 効果を断定する広告を出していないか「必ず治る」「1回で完治」「誰でも確実に痩せる」など、身体への効果を無条件に保証する広告には注意が必要です。
身体の状態や症状は個人によって異なります。
合理的な説明ができないまま効果を断定する施設は、慎重に判断したいところです。
2. 料金体系が明確になっているか初回料金だけを大きく宣伝し、2回目以降の料金や回数券の価格を説明しない施設には注意しましょう。
特に、施術を始める前に総額を把握できるかが重要です。
3. 高額な回数券を強く勧めてこないか身体の状態を十分に確認する前から、高額な回数券や長期契約を勧められた場合は、一度持ち帰って検討するのが安全です。
必要な通院回数についても、根拠を説明してもらいましょう。
4. 施術者の資格が確認できるか柔道整復師は国家資格です。
資格の有無や施術者の担当範囲を明確に説明してもらえる施設を選びましょう。
5. 保険適用の説明が正確か慢性的な肩こりや疲労回復を目的とした施術を、当然のように健康保険で受けられると説明された場合は注意が必要です。
保険適用の条件を事前に確認してください。
6. 口コミの評価だけを強調していないか「地域No.1」「全国No.1」「満足度100%」などの表示については、調査主体、調査方法、対象者、調査時期を確認が必要です。
MJGの2019年の行政処分は、この点を考えるうえで象徴的な事例です。
7. 運営会社や契約主体が明確か多店舗展開の接骨院では、直営店とフランチャイズ店で運営会社が異なることがあります。
次の情報を確認しましょう。
- 実際の運営会社名
- 店舗の責任者
- 施術者の資格
- 領収書の発行主体
- 回数券や契約の返金条件
特に、過去に破産した企業の店舗ブランドや施術メニューを引き継いでいる場合は、現在の契約相手がどの会社なのかを確認することが欠かせません。
【MJG接骨院の疑問を解消】よくある質問(FAQ)
Q1:MJG接骨院は詐欺だったのでしょうか?
A1:株式会社MJGについては、2019年11月18日に埼玉県から景品表示法違反(優良誤認表示)による措置命令を受けた事実があります。ただし、この行政処分だけで会社全体のサービスが詐欺だった、すべての施術が無効だったと判断することはできません。
Q2:MJG接骨院は現在も営業していますか?
A2:旧株式会社MJGは2020年4月10日に破産手続き開始決定を受けており、旧運営会社による営業は継続していません。一部事業はaprecioに譲渡され、その後Mente事業も2025年12月に新たな運営体制へ移っています。2026年現在、Menteは関東地方で11院を掲載しています。
Q3:MJG接骨院のPIMバランス整復は効果があったのでしょうか?
A3:PIMバランス整復は、MJGが展開していた独自の施術メニューです。骨盤や深層筋などに着目した施術として紹介されていました。ただし、2019年の行政処分では痩身効果をうたう広告に合理的根拠が認められませんでした。施術の効果を判断する際には、広告上の説明と医学的な根拠を分けて考える必要があります。
Q4:MJG接骨院の回数券は返金されますか?
A4:破産時に販売されていた回数券については、破産管財人側の案内を紹介した当時の業界記事で、資力不足により返金の見通しがないと説明されていました。現在の別会社が運営する店舗に対して、旧MJGの回数券の返金を当然に請求できるわけではありません。
「MJG接骨院は怪しい」という検索には、実際の行政処分と経営破綻という明確な背景があります。
2019年11月18日、埼玉県は株式会社MJGに対して、体脂肪減少効果や全国ランキングなどの広告表示をめぐり、景品表示法違反による措置命令を出しました。
その約5か月後の2020年4月10日には、株式会社MJGが破産手続き開始決定を受けています。
破産の背景には、急速な店舗拡大、不採算店舗の増加、借入金の返済負担、信用低下、そして新型コロナウイルスによる来院患者の減少など、複数の問題がありました。
一部事業はMCJの子会社aprecioに譲渡されましたが、その後、2025年12月にはMente接骨院事業も新たな運営体制へ移っています。2026年現在は、DUAL MEDICALが関わるMente接骨院として関東地方に11院が掲載されています。
【プロの結論】接骨院選びで本当に見るべきなのは3つ第一に、広告の根拠です。
全国No.1や高い痩身効果などの宣伝文句ではなく、客観的な根拠と具体的な説明があるかを確認しましょう。
第二に、運営会社と契約内容です。
過去のブランド実績と現在の運営会社は別の問題です。現在の店舗がどの法人によって運営され、誰と契約するのかを確認する必要があります。
第三に、料金と施術の透明性です。
保険適用の条件、自費施術の費用、通院計画、回数券の解約条件について、施術前に納得できる説明があるかが判断のポイントです。
MJGの事例は、店舗数や売上規模、知名度だけでは、企業の信頼性や経営の健全性を判断できないことを示しています。
利用者にとって大切なのは、過去のブランドイメージに左右されず、現在の運営主体、施術者の資格、料金、説明の透明性を一つずつ確認することです。
MJG接骨院の過去の問題を知ることは、今後の接骨院選びで同じ失敗を避けるための重要な判断材料になります。